友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

賞味期限切れ

2008年04月15日 20時00分04秒 | Weblog
 薄墨桜を見に行った時、お土産店をのぞいていたら、「さんざしドライフルーツ」を見つけた。北原白秋の『この道』の最後に、「あの雲はいつか見た雲、ああそうだよ、山査子の枝も垂れてる」という歌詞がある。デイサービスの利用者さんがこの歌を歌っていて、「山査子ってなに?」と尋ねられた。私は知らなかったが、所長がすぐにパソコンで調べてくれた。中国原産のバラ科の落葉低木で、果実を乾燥させたものを山査子という。中国ではこの果実で作ったお菓子がデザートに出される。日本ではもっぱら消化・解毒など胃腸の働きを助ける健康食品として知られている。この店でも「血液サラサラのさんざし」と張り出されていた。

 「おお、これが山査子か」と思い、すぐに買い求めた。家に帰って孫娘に、「あのさ、『この道』っていう童謡に出てくる“さんざし”を買ってきたから、見てみるかい」とお土産を渡す。ところが孫娘はいきなり「これって賞味期限が切れてるよ。それに、袋の中と外と賞味期限の日付が違うよ」と言う。「だいたいさ、薄墨桜を見に行ったんでしょう。それなのに、これ中国産だよ」とも言う。しまった。何も見ずに買ってきてしまった。原材料が中国産であってもそれはまあ許せるが、賞味期限が切れている!しかも袋の中と外で日付が違うとは驚いた。

 「漢方薬にも使われるくらいだから、賞味期限なんて気にせずに食べちゃおうか」と言うと、「ダメ!すぐに買ったところへ電話した方がいい」とまで言う。買った店の電話番号はもちろん調べればわかるけれど、商品には会社名と住所と電話番号が書いてあるし、商品にはお客様相談室の電話番号も記載されている。「じゃあこちらにかけてみよう」と電話するが、担当者が席をはずしていると言う。大手の会社のように、この手の苦情には慣れていないのだろう。しばらくすると向こうから電話がかかってきた。

 賞味期限の改ざんなど食品をめぐる世間の目は厳しいものがあるから、逆に賞味期限の切れた商品を並べておくような馬鹿な行為はないだろうと思ってしまった私の方が愚かだった。販売店の方もそんなことに気付かずに並べているだろうから、製造元のあなたの方から注意をした方がいいでしょうといったことを話した。その担当者は礼を述べ、「サービスに当社のジュースをお付けします」と言う。この件はこれで一件落着だといった空気が伝わってきた。

 後日、「さんざしドライフルーツ不良商品のお詫び」の手紙とともに新しい商品が送られてきた。私は賞味期限の日付が袋の中と外で違うことと、しかもどちらの日付を見ても賞味期限が切れているような商品は、客離れを起こしてしまうことを指摘したかったのだが、会社としては不良商品としての扱いだったのか、消費者と製造者の意識には差があるんだと知った。
コメント
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