梅雨入りしたのだから、朝から雨降りでも仕方ないが、洗濯物が家の中に干してあるのは鬱陶しい光景である。洗濯機には乾燥機もついているが、「何か匂うから」とカミさんは使わない。天気が回復するまで待つという選択肢もあるが、毎日、洗濯機を回さないではいられないようだ。そうであるなら、朝早くから洗濯機を動かせばよいのに、そういう段取りにはなっていない。
午後からジムに出かけるので、どうしても体操着やタオルを帰ってから洗いたいのだ。節約家なので、一度にやった方が効率的と考えている。洗濯物が少ない方がきれいに洗えると、私が朝のうちに洗濯機を回して干しておくと、「一緒に洗えば節約できるのに」と私の行為を不思議がる。灯りもつけずに掃除や料理をするから、私が電灯を点けると、以前は「電気代がもったいない」と言っていたが、最近は「ありがとう」と言ってくれるようになった。
テレビドラマで、「長年連れ添ったから、夫婦は理解できるということでは無いのよ。理解し合うことは無理だけど、でも我慢することは出来るわよ」というセリフがあった。ああ、なるほどと思った。私の友だちは大方、「男子厨房に入らず」と育った世代だが、意外に料理をする人が多い。カミさん方に言わせると、「やってくれるのは嬉しいけど、お金をかけすぎる」とか、「後片付けが大変」と嘆く。それでも「3食作るのは大変だから、ありがたい」ようだ。
亭主関白だった夫が、台所に立つようになったのも、そういう時代だからだろう。周りがそうであれば、恥ずかしいとか、みっともないなどと思わなくなる。会社人間の男はいつまでも、「あいつはノウナシだ」「あいつは使えない」と他人を評価してしまうが、カミさんからどんな評価が下されているかは知らない。知れば、たちまち夫婦喧嘩になり、「一生口もきかん」ということになりかねない。知らない方が幸せなことなのかも知れない。
今晩は誕生日会の飲み会。どんな話が飛び出すのだろう。