スポーツの好きなカミさんは、「日本オープンゴルフ」の最終日を見た後、「レディース2019ゴルフ最終日」にチャンネルを回し、午後6時からはプロ野球日本シリーズ「巨人対ソフトバンク」の第2戦を、続いて7時10分からラグビー・ワールドカップ「日本対南アフリカ」を見る忙しさだった。
実際は、ラグビー戦の途中からコックリと船をこぎ出していたから、どこまで見ていたのかは分からない。ラグビー戦は、日本チームが得意としてきた戦術がことごとく潰されてしまい、勝てる見込みがなくなった。時々目を覚まして、一方的に攻められている様子に憤慨し、「どうして右に(ボールを)出すの。左が空いてるじゃーない」と声を挙げる。
スクラムからのボール出しは、相手の早いタックルに潰されてしまう。ラインを整えて素早く攻めるこれまでの戦術は、南アフリカの方が上だった。ダブルタックルも日本の戦い方だったのに、南アフリカにやられてしまった。それでも確かに、日本チームは大きく成長したことは事実だろう。テレビのバラエティ番組で、「日本代表なのに、外国人ばかりいて違和感があった」と言う人もいたが、「ラグビーは国籍を問わないスポーツ」と聞いて凄いと思った。
けれど、「ラグビーは日本人の気質に合ったスポーツ」という発言には、ちょっと納得できなかった。そもそも日本には、明治以前、チームで闘うスポーツは何があるのだろう。個人戦はあってもチーム戦は思いつかない。ラグビーをみんなが賞賛するけど、まるでボールを奪い合うケンカみたいに思えてしまう。相撲は興行だからかも知れないが、決して相手を傷つけない。
巨人も負け、見ることに疲れて、私は風呂に入って休むことにした。すっかり目覚めたカミさんは、木村拓哉が主演するフランス料理のテレビに見入っていた。何だか、ウルサイだけのドラマだなーと思いつつ、フトンに潜り込むとすぐに音は遠のいてしまった。