風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政争(1)小沢さん出馬

2010-08-27 00:06:21 | 時事放談
 それにしても奇妙な乾いた光景です。昨日のブログで書いたように、円高、株安の流れが止まらず、世間では経済の先行きを懸念すること頻りなのに、政権与党の民主党は、経済無策であるばかりでなく、それこそ民主対自民という“コップ”の中どころか、民主党の代表選という“お猪口”の中の争いに熱狂する有り様で、国民は完全に置いてけぼりです。しかもこの熱狂の一方の主役は「政治とカネ」問題で検察審査会で審査中であり党幹事長を引責辞任した小沢さんであり、片棒を担ぐのが普天間基地移設問題と「政治とカネ」問題で首相・党代表を引責辞任し、首相経験者は次の総選挙に出るべきではないなどと言い放って、すっかり謹慎しているものとばかり思われていた鳩山さんと来るのですから、心ある国民は呆れてモノも言えません。
 民意は、菅さんでは頼りないと思う反面、首相がころころ変る状況はこりごりなので、消極的な菅さん支持にあるわけですが、この際、体裁を気にするばかりの民意など、どうでもよろしい。もし指導力を発揮して、今の日本の閉塞状況を打ち破る期待があるのであれば、仮に「政治とカネ」問題で限りなく黒に近いグレーの人であっても構わないと私は思います。しかしながら、怨念の政治家・小沢さんは、参院選の敗北や、官僚主導を強める政権運営を批判するのはともかく、衆院選マニフェストを修正したことでも菅さん批判を強めているとされるのを聞くと、私には残念ながらそこに正当性のかけらも見出せません。一説では、参院選敗北は現政権にNoが突き付けられたものである以上、枝野という反・小沢の急先鋒を幹事長に据えたまま脱・小沢路線を譲らない菅さんに対して、小沢一派が政権刷新の意味からも幹事長職を寄越せと迫ったにも係わらず、菅さんは受け入れなかったことが対決を抜き差しならないものにしたと言われますが、このまま地盤沈下しかねない小沢さん一派の焦燥感が伝わって来るエピソードです。案外、小沢さんを取り巻くこの一派こそ、民主党の現実をよく認識しているのかも知れません。なにしろ小沢さんを担がない限り民主党はとても政権を担えないほどの素人集団だと自己認識しているのかも知れませんから。
 こうして代表選にうつつを抜かす菅政権と小沢さん一派と鳩山さんに対して、一年生議員をはじめとするその他の民主党議員は民意になびくしかないとされるのもまた情けない無定見さで、代表選は菅さんがやや有利と報道されるのを見るに及んで、この国の政治の不毛が嘆かわしい。
コメント
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