先日、久しぶりに会社の保養所を利用して、備え付けの手ぬぐいの品質が随分落ちていることに気が付きました。四国が一大生産地で、中国をはじめとする新興国との価格競争が激化していると聞いたことがありますが、中国産に切り替えられたのか、それとも四国産の品質が落ちたのか、もし後者だとすれば自殺行為です。
中国の貿易黒字が拡大していることから、欧米からの人民元切り上げ圧力が強まりつつありますが、過去の日本円切り上げの歴史に学んだ中国は、日本と違って飽くまでしたたかに対応しようとしています。人民元安を維持し輸出産業を保護しなければ経済成長は維持できないと考える前提には、円高を生産革新によるコストダウンや高付加価値化によって切り抜けた日本と違って、生産設備や主要部材を日本からの輸入に頼らなければ自国での加工・組立て産業が成り立たない中国には、コストダウンや高付加価値化といった対応余力が乏しいという、中国が抱える構造問題を自ら認識しているものと思われます。そんな状況で日本がわざわざ品質を落として中国と同じ土俵に乗ることはないと思うわけです。
昨日付のニューヨーク・タイムズは、中国がレアアースの禁輸を欧米にも拡大していると報じました。レアアースを外国との交渉材料に使うことはないと温家宝首相みずから明言した手前、尖閣諸島問題でレアアースを対日交渉の駆け引き材料に使った疑念を打ち消そうと、欧米向けの輸出をも停滞させたと指摘する声もありますが、人民元高を迫る欧米に対して、やはりレアアースを切り札に揺さぶりをかけ始めたものと言えそうです。報道された禁輸の事実関係は確認されていませんが、既に六日前に中国で、レアアースの密輸が急増しており、取り締まりに向けて通関手続きの厳格化を示唆する報道が相次いでいましたし、三日前には中国が世界の生産量の9割以上を押さえるレアアースについて、需要に応えられるのは15~20年で、将来的に輸入に依存する可能性があると、資源枯渇に危機感を示したというように、既成事実を積み重ねて周到に準備して来たと言えます。
その前日のニューヨーク・タイムズのコラムでは、ポール・クルーグマン教授が、尖閣諸島問題に端を発して中国が日本向けにレアアースの事実上の禁輸措置を取ったことに触れ、極めて憂慮すべき事態(I find this story deeply disturbing)であり、アメリカ政策担当者の無策ぶりを嘆くとともに、ちょっとしたことでも経済戦争を仕掛ける中国の好戦的な性格に警告を発していました。通常、経済大国は国際システムの中に有する利害関係(stake)を認識し自ずから自重するものですが、尖閣諸島問題や保護主義的な中国の為替政策を見る限り、台頭するこの経済「超」大国は、そうした地位に伴う責任を担う用意はなく、ルールを守らない“ならず者国家”(a rogue economic superpower)と、これからどう向き合っていくのか?と疑問を投げかけていました。日本だけでなく欧米社会にとてもチャイナ・リスクの取り扱いは重たい課題です。
中国の貿易黒字が拡大していることから、欧米からの人民元切り上げ圧力が強まりつつありますが、過去の日本円切り上げの歴史に学んだ中国は、日本と違って飽くまでしたたかに対応しようとしています。人民元安を維持し輸出産業を保護しなければ経済成長は維持できないと考える前提には、円高を生産革新によるコストダウンや高付加価値化によって切り抜けた日本と違って、生産設備や主要部材を日本からの輸入に頼らなければ自国での加工・組立て産業が成り立たない中国には、コストダウンや高付加価値化といった対応余力が乏しいという、中国が抱える構造問題を自ら認識しているものと思われます。そんな状況で日本がわざわざ品質を落として中国と同じ土俵に乗ることはないと思うわけです。
昨日付のニューヨーク・タイムズは、中国がレアアースの禁輸を欧米にも拡大していると報じました。レアアースを外国との交渉材料に使うことはないと温家宝首相みずから明言した手前、尖閣諸島問題でレアアースを対日交渉の駆け引き材料に使った疑念を打ち消そうと、欧米向けの輸出をも停滞させたと指摘する声もありますが、人民元高を迫る欧米に対して、やはりレアアースを切り札に揺さぶりをかけ始めたものと言えそうです。報道された禁輸の事実関係は確認されていませんが、既に六日前に中国で、レアアースの密輸が急増しており、取り締まりに向けて通関手続きの厳格化を示唆する報道が相次いでいましたし、三日前には中国が世界の生産量の9割以上を押さえるレアアースについて、需要に応えられるのは15~20年で、将来的に輸入に依存する可能性があると、資源枯渇に危機感を示したというように、既成事実を積み重ねて周到に準備して来たと言えます。
その前日のニューヨーク・タイムズのコラムでは、ポール・クルーグマン教授が、尖閣諸島問題に端を発して中国が日本向けにレアアースの事実上の禁輸措置を取ったことに触れ、極めて憂慮すべき事態(I find this story deeply disturbing)であり、アメリカ政策担当者の無策ぶりを嘆くとともに、ちょっとしたことでも経済戦争を仕掛ける中国の好戦的な性格に警告を発していました。通常、経済大国は国際システムの中に有する利害関係(stake)を認識し自ずから自重するものですが、尖閣諸島問題や保護主義的な中国の為替政策を見る限り、台頭するこの経済「超」大国は、そうした地位に伴う責任を担う用意はなく、ルールを守らない“ならず者国家”(a rogue economic superpower)と、これからどう向き合っていくのか?と疑問を投げかけていました。日本だけでなく欧米社会にとてもチャイナ・リスクの取り扱いは重たい課題です。