風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

三鷹の森ジブリ美術館

2010-10-03 14:19:45 | 永遠の旅人
 昨日、懸賞で当たったというので、家内と下の子を連れて井の頭公園そばのジブリ美術館に行って来ました。キャッチフレーズは、「迷子になろうよ、いっしょに。」 あれだけの豊富なキャラクターをもつスタジオ・ジブリなので、期待が膨らみます。
 いきなり受付にトトロが座って出迎えてくれて、思わず気持ちがほっこりし、ぐいっとその世界に引き込まれます。勿論、この受付は言わばハリボテで、帽子のような形をした本物の受付は別のところにあり、ごく普通の人間が待ち構えていてがっかりするのですが、渡されるキップは映画用35mmフィルムが嵌め込まれたもので、何が出てくるか確かめるまでドキドキわくわくします。今回は、メイちゃんが穴ぐらを覗き込んだところと、メイちゃんの満面の笑顔があり、以前、家内と下の子だけで来た時にはキャラクターが映っていないただの風景だったので、今回はアタリと言えるでしょう。これだけで子供は幸せな気分になりますし、いつかトトロが出てくるまで、楽しみは続きます。
 館内は、木の素朴さを前面に出したつくりで、都会にありながら時代を超えた田舎の小ぢんまりとした美術館風情であり、二階の渡り廊下(橋)は危なっかしくて興味をそそられますし、窓には、ジブリのキャラクターをはじめ花や動物が描かれたステンドグラスが嵌め込まれていて、目を楽しませます(隠れミッキーならぬ隠れトトロがあるとなお楽しめそうですが)。部屋ごとにそれぞれ趣向を凝らし、スライドや人形を高速で連続して映すことによって動画に見える仕組みを紹介していたり、アニメを構想し制作するスタジオが再現されていたり、小学生限定ながら大きなネコバスの部屋があったりと、子供たちがさまざまに興味をもって迷いこめる工夫がなされています。地下1階にある映像展示室「土星座」でたまたま見た映画は「星をかった日」という16分の小品でした。前回、家内たちが見たのは「くじらとり」という、「グリとグラ」を描いた方の小品で、かわいらしいには違いないのですがジブリとして見るには物足りなかったそうですが、今回はいかにもジブリらしい、オトナの童話の不思議な世界と影像の美しさに驚嘆し、大満足のようでした。
 些か期待はずれのところがないでもないですが、美術館と冠する以上やむを得ません。ディズニーと並び称されるジブリですが、ディズニー自体がおとぎの国そのものを提供し私たちを楽しませてくれるのと対照的に、ジブリは飽くまでアニメが全て、アニメの世界を一歩も逸脱することなく、アニメを楽しませるための舞台裏や小道具を覗かせてくれる、抑制のきいた大人し目の美術館として、都会のエアスポットのように、時折、私たちの心を和ませてくれるのでしょう。
 上の写真は、美術館の守り神のロボットです。
コメント
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