セ・リーグのクライマックス・シリーズ(以下CS)は中日の圧勝に終わりました。ON以来の惰性ではあるものの、まがりなりの巨人ファンとして口惜しいのは事実ですが、リーグ優勝球団の本拠地で6試合とも行われるCSの性格上、勝ち抜くことを確信していた巨人ファンは例年より少なかったのではないでしょうか。それはファースト・ステージで負けた阪神にしても同様で、レギュラー・シーズン(以下RS)におけるナゴヤ・ドームでの阪神や巨人の劣勢は魔物が棲んでいるのかと思えるほど、ナゴヤは鬼門だと言われて来たからです。
RSも終わってみれば、セ・リーグ三強は1ゲーム差で、中日が優勝したあるいは中日に負けたと言うよりも、阪神・巨人ともにナゴヤ・ドームで負けたというのが実感です。ナゴヤ・ドームで屈辱的な9連敗を喫した巨人の場合、昨年までの4年間の通算成績は22勝25敗と、ビジターとして必ずしも悪くなかったので、何故、今年だけ?という疑問が残ります。もともとホームでは、後攻で、ファンの応援があることに加え、試合数が圧倒的に多く、マウンドがちょっと固かったり高さを微調整したり飛びにくい(または逆の)ボールを使ったり(ルールで細かく規定されているので実際はそれほどでもないでしょうが)といった慣れの問題があり、逆に、ナゴヤのように外野が広い球場では、外野手の肩が強いとか守備範囲が広いというように、球場に合わせたチーム作りが行われるため、ホーム・ゲームに強いというのはある意味で当然で、どの球団も概して同じです。それにしても今年の中日は、ホーム・ゲームで7割強の勝率を誇りながらビジターでは3割強と極端に違いました。
一般には巨人のように一発頼みの荒っぽい野球をやっているチームは、広いナゴヤではなかなか勝てない、逆に足を絡めて外野フライでも点を取れる堅実な野球をするヤクルトのような似たチームはそれほどでもないことからも明白、などと説明されます。確かに箱庭のような東京ドームで飛びやすいボールを使うと揶揄される巨人はそうかも知れませんが、それでは今年だけ?という理由にはなりませんし、同じように広い甲子園を本拠地にする阪神が中日を相手にホームでは健闘していることの説明にもなりません。敢えていくつか邪推すると・・・そもそも中日はホームでは三振が少ないと言われ、実際に昨日の試合でも、巨人のバッターは鋭い内角を突かれ(ホームランが出にくいナゴヤでは当然の攻め方だと思いますが)見逃しの三振がいくつか見られたのに対し、8回に抑えで登板した巨人・山口は、同じような内角攻めでもストライクをとってもらえず、最期は押し出しで自滅したというように、審判はホームで多少の贔屓目があるのは何処も同じですが、特に試合のポイントとなるところで贔屓されると結果を左右することになりかねません。またナゴヤ・ドームはフェンスの色が他球場と違って鮮やかな青で、守っていて距離感に違和感を覚えることがあると負け惜しみを述べていた選手がいました。更に中日はナゴヤ・ドームの練習に関して相手チームを引っ掻き回すことが多いらしく、巨人はビジターでの試合でも選手が早めに球場入りして練習する「アーリーワーク」を取り入れていますが、8月の半ばのある日、中日側に突然、当日になって「時間外の練習は認められない」と通達されて、早出練習を中止したことがあったそうですし、中日側は試合当日以外のビジター・チームの練習にナゴヤ・ドームを貸さないことが多いらしく、巨人は試合がない移動日に、別の球場で真夏の炎天下に全体練習を行ったこともあったらしい(日刊スポーツ)。言い出すとキリがありませんが、そうやって微妙な駆け引きでリズムを崩し、かつ苦手意識が手伝って、とりわけ東京ドームと比べてホームランが出にくいナゴヤでは、中日の強力な投手陣に押されて余計にいつもと勝手が違うという違和感が、心理的に選手の動きを鈍くしているのかも知れません。
それはともかくとして(とまるで前置きのように述べつつ、巨人ファンとしてはカタルシスを探してきたのでした)、パ・リーグではロッテが健闘し、RS三位のチームが初めて日本シリーズ進出を決めました。CSでの成績は、チーム・個人共にRSの成績には加算されないとか、リーグ順位も、ドラフト指名順位も、RSの順位によってのみ決定されると言うように、RSとCSとは明確に区別されていながら、RSの順位は、CS開幕予定日の2日前までに組み込まれた日程終了時点の順位をもって確定すると定められ、悪天候や天災等の理由により規定通り日程を消化できない場合は、RSの残り試合は打ち切られる(Wikipedia)とか、CSの主催は、日本シリーズ(日本野球機構主催)と違って、シーズン中と同様にホーム・チームにあり、各球団上の管理下に置かれている(Wikipedia)など、ちょっとチグハグです。RSの所謂消化試合を減らしたいというのが、CS導入の表向きの動機だったと思いますが(ナベツネさんの思惑は別にして)、ファースト・ステージ、ファイナル・ステージともに、RS上位球団の本拠地で開催され、ファイナル・ステージではリーグ優勝球団に1勝のアドバンテージが与えられるなど、そこまで差をつけてまで、RSで活躍した球団を贔屓するCSには、いくら興行的に成功するからとは言え、違和感を禁じ得ない人も少なくないのでは。
RSも終わってみれば、セ・リーグ三強は1ゲーム差で、中日が優勝したあるいは中日に負けたと言うよりも、阪神・巨人ともにナゴヤ・ドームで負けたというのが実感です。ナゴヤ・ドームで屈辱的な9連敗を喫した巨人の場合、昨年までの4年間の通算成績は22勝25敗と、ビジターとして必ずしも悪くなかったので、何故、今年だけ?という疑問が残ります。もともとホームでは、後攻で、ファンの応援があることに加え、試合数が圧倒的に多く、マウンドがちょっと固かったり高さを微調整したり飛びにくい(または逆の)ボールを使ったり(ルールで細かく規定されているので実際はそれほどでもないでしょうが)といった慣れの問題があり、逆に、ナゴヤのように外野が広い球場では、外野手の肩が強いとか守備範囲が広いというように、球場に合わせたチーム作りが行われるため、ホーム・ゲームに強いというのはある意味で当然で、どの球団も概して同じです。それにしても今年の中日は、ホーム・ゲームで7割強の勝率を誇りながらビジターでは3割強と極端に違いました。
一般には巨人のように一発頼みの荒っぽい野球をやっているチームは、広いナゴヤではなかなか勝てない、逆に足を絡めて外野フライでも点を取れる堅実な野球をするヤクルトのような似たチームはそれほどでもないことからも明白、などと説明されます。確かに箱庭のような東京ドームで飛びやすいボールを使うと揶揄される巨人はそうかも知れませんが、それでは今年だけ?という理由にはなりませんし、同じように広い甲子園を本拠地にする阪神が中日を相手にホームでは健闘していることの説明にもなりません。敢えていくつか邪推すると・・・そもそも中日はホームでは三振が少ないと言われ、実際に昨日の試合でも、巨人のバッターは鋭い内角を突かれ(ホームランが出にくいナゴヤでは当然の攻め方だと思いますが)見逃しの三振がいくつか見られたのに対し、8回に抑えで登板した巨人・山口は、同じような内角攻めでもストライクをとってもらえず、最期は押し出しで自滅したというように、審判はホームで多少の贔屓目があるのは何処も同じですが、特に試合のポイントとなるところで贔屓されると結果を左右することになりかねません。またナゴヤ・ドームはフェンスの色が他球場と違って鮮やかな青で、守っていて距離感に違和感を覚えることがあると負け惜しみを述べていた選手がいました。更に中日はナゴヤ・ドームの練習に関して相手チームを引っ掻き回すことが多いらしく、巨人はビジターでの試合でも選手が早めに球場入りして練習する「アーリーワーク」を取り入れていますが、8月の半ばのある日、中日側に突然、当日になって「時間外の練習は認められない」と通達されて、早出練習を中止したことがあったそうですし、中日側は試合当日以外のビジター・チームの練習にナゴヤ・ドームを貸さないことが多いらしく、巨人は試合がない移動日に、別の球場で真夏の炎天下に全体練習を行ったこともあったらしい(日刊スポーツ)。言い出すとキリがありませんが、そうやって微妙な駆け引きでリズムを崩し、かつ苦手意識が手伝って、とりわけ東京ドームと比べてホームランが出にくいナゴヤでは、中日の強力な投手陣に押されて余計にいつもと勝手が違うという違和感が、心理的に選手の動きを鈍くしているのかも知れません。
それはともかくとして(とまるで前置きのように述べつつ、巨人ファンとしてはカタルシスを探してきたのでした)、パ・リーグではロッテが健闘し、RS三位のチームが初めて日本シリーズ進出を決めました。CSでの成績は、チーム・個人共にRSの成績には加算されないとか、リーグ順位も、ドラフト指名順位も、RSの順位によってのみ決定されると言うように、RSとCSとは明確に区別されていながら、RSの順位は、CS開幕予定日の2日前までに組み込まれた日程終了時点の順位をもって確定すると定められ、悪天候や天災等の理由により規定通り日程を消化できない場合は、RSの残り試合は打ち切られる(Wikipedia)とか、CSの主催は、日本シリーズ(日本野球機構主催)と違って、シーズン中と同様にホーム・チームにあり、各球団上の管理下に置かれている(Wikipedia)など、ちょっとチグハグです。RSの所謂消化試合を減らしたいというのが、CS導入の表向きの動機だったと思いますが(ナベツネさんの思惑は別にして)、ファースト・ステージ、ファイナル・ステージともに、RS上位球団の本拠地で開催され、ファイナル・ステージではリーグ優勝球団に1勝のアドバンテージが与えられるなど、そこまで差をつけてまで、RSで活躍した球団を贔屓するCSには、いくら興行的に成功するからとは言え、違和感を禁じ得ない人も少なくないのでは。