風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

インナー・マッスル

2010-10-29 01:22:07 | スポーツ・芸能好き
 ランニングがちょっとしたブームですが、ものの本によると、最近はインナー・マッスルを鍛えよ、と教えられるらしい。
 スポーツの世界では、正しいフォームこそ最もパフォーマンスが出るフォームだと言われますが、それなら素人の私でもなんとなく分かります。その正しいフォームと言う時のキーワードがインナー・マッスルだそうです。その一つが“腸腰筋”で、イチロー選手のトレーナー・小山裕史氏や陸上の400m走で活躍した高野進氏が注目して俄かに脚光を浴びています。一体どこにあるのでしょうか。
 インナーと言う以上、太ももやふくらはぎのように身体の表面にあるわけではないので分かりにくいのですが、お腹や腰の奥にあって、お尻の奥に羽のように生えた“腸腰筋”と、背骨と両脚の付け根を繋ぐ“大腰筋”と、その上にかぶさる“小腰筋”の三つから成り、脚を屈曲して前に引き付ける時に大きな役割を果たすものだそうです。骨盤を前傾させるための筋であり、背骨の反りを形成するもので、骨盤の位置を安定させ、正しい姿勢を保つ効果があります。とりわけ“大腰筋”は、脚を振り上げ、前に振り出すために極めて重要な筋肉で、いわば脚を振り子に例えた時の支点にあたり、この支点を鍛えることによって、振り子に勢いがついて推進力が増すと言われます。プロゴルファーや野球選手が、身体の中心を軸にして、手先や足先の力が抜け、体全体の動きが鞭のように滑らかにしなるイメージと言われれば、なんとなく納得するのでは。逆に一般ランナーの多くは、インナー・マッスルを鍛えていないために、外側の大きい筋肉ばかりに負荷をかけ過ぎて、酸素の消費量が多くなり、早く疲労してしまうそうです。
 身体の表面の筋肉と違って、普段意識することがないため、鍛えることが一見難しいようですが、階段を上がったり、小走りになったりする時にも“腸腰筋”は使われており、要はその筋肉を動かしていることを意識することで脳をその気にさせるのがポイントだそうです。仰向けになって脚をゆっくり上げ下ろしするのも有効だとか。
 私が高校生の頃と言えば、かれこれ四半世紀前になりますが、ろくに水分補給もせず、近頃のエアーなんとかと称するものと比べるとまるで地下足袋のような粗末な靴で、インナー・マッスルなんて言葉はつゆ知らず、結局、何も考えずにひたすら走り込んでいたものだと、却って感心します。日本記録や世界記録は、テクノロジーやこうした医学の進歩によって支えられているのでしょうね。
 今日の話は、湯本優氏のエッセイを参考にしました。
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