NHK総合で金曜夜10時から放送される小一時間の番組があります。まるで私たちが世界の街角を歩いているかのように、私たちの目線でカメラが路地裏を這い回り、時に、そこにいる人に話しかけて触れあい、時に近所の住人のお宅を拝見しては触れあう、なんとはない番組です。今日はストックホルムでした。北欧最大の都市、スウェーデンの首都でありながら、人口は僅かに80万人、14の島からなる海に囲まれた街で、緑も多く、街のど真中の王宮を前にして出勤前にサケ釣りを楽しむ人の屈託のない笑顔を見ていると、ゆったりとした時間が流れていることが知れます。
小学5年の下の娘が、一年ちょっと前まで住んでいたシドニーの生活を懐かしがります。この年齢にして、シドニーでは時間がゆったりと流れていたと言います。それは何故かとつらつら考えるに、基本的に流行り廃りとは無縁なのだろうと思いますし、それは個がしっかりしていて集団や周囲に流されないからだろうと思いますし、それは更に元をただせばヨーロッパを中心とした移民一世が多く住み、ヨーロッパの保守の雰囲気を色濃く残しているせいかも知れないと思います。逆に日本人は、どうしてこれほどあくせく、新し物好きで、すぐに流行に飛びつき、刹那的な生き方をしているのでしょう。
日本は安全ですし、人々は四季折々の季節を愛でる繊細な心をもち、人だけでなく動物や自然にも優しい、それでいてコンパクトに全てが揃って便利で、世界の最先端の流行のものでも身近にすぐ手に入り、食事は何でも美味い、日本人の私たちには住み慣れた良い国です。しかし海外生活をしてみると、東京は余りに全てが集中し過ぎて、狭くてちまちましていて、生活するには余り相応しくないと感じます。他方、近鉄に勤める知人が嘆いていましたが、地方の疲弊ぶりは、私たち東京に住む人間の想像を遥かに越えるようです。
ブータンのように、GDPではなくGNH(国民総幸福量)を意識しながら国づくりをせよとまでは言いませんが、日本の国はどうあるべきか、日本人はどんな幸せを目指すべきか、失った20年を取り返すために、これから経済や社会を再生する前に、もう一度、私たち一人ひとりが国づくりのことを考え直さなければならないと思います。
小学5年の下の娘が、一年ちょっと前まで住んでいたシドニーの生活を懐かしがります。この年齢にして、シドニーでは時間がゆったりと流れていたと言います。それは何故かとつらつら考えるに、基本的に流行り廃りとは無縁なのだろうと思いますし、それは個がしっかりしていて集団や周囲に流されないからだろうと思いますし、それは更に元をただせばヨーロッパを中心とした移民一世が多く住み、ヨーロッパの保守の雰囲気を色濃く残しているせいかも知れないと思います。逆に日本人は、どうしてこれほどあくせく、新し物好きで、すぐに流行に飛びつき、刹那的な生き方をしているのでしょう。
日本は安全ですし、人々は四季折々の季節を愛でる繊細な心をもち、人だけでなく動物や自然にも優しい、それでいてコンパクトに全てが揃って便利で、世界の最先端の流行のものでも身近にすぐ手に入り、食事は何でも美味い、日本人の私たちには住み慣れた良い国です。しかし海外生活をしてみると、東京は余りに全てが集中し過ぎて、狭くてちまちましていて、生活するには余り相応しくないと感じます。他方、近鉄に勤める知人が嘆いていましたが、地方の疲弊ぶりは、私たち東京に住む人間の想像を遥かに越えるようです。
ブータンのように、GDPではなくGNH(国民総幸福量)を意識しながら国づくりをせよとまでは言いませんが、日本の国はどうあるべきか、日本人はどんな幸せを目指すべきか、失った20年を取り返すために、これから経済や社会を再生する前に、もう一度、私たち一人ひとりが国づくりのことを考え直さなければならないと思います。