風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

リオ五輪番外・韓国編

2016-09-05 22:52:07 | スポーツ・芸能好き
 隣近所の国々の中で、さすがに中国の動向については世界経済や地域の安全保障への影響が大きいため追いかけるようにしているが、個別事象(例えばリオ五輪)における中・韓の反応などといった不思議なことではあるが些細なことは気にしないでいた。私たちの隣人でありながら余りに懸け離れた民族性がここ数年で際立ち、初めの内は何故だろうと暫く研究対象にしていたが、飽きてしまったのだ。端的に興醒めしているというのが正直なところだが、我が同朋の中には依然(面白おかしく)気にする人がいるので、どうしても関連記事が目に留まってしまう。
 たとえば韓国での盛り上がりはイマイチだったようだ。金メダル9個、銀3、銅9というのは、それなりの成績だと思うが、玉置直司氏によると、「柔道やテコンドー、レスリングなど有望種目で優勝候補の選手がばたばたと敗れてしまったこと」と、何より「日本の成績が思いの外に良かったこと」が原因らしい。韓国ではあらゆる分野で日本への対抗意識が強く、中でもソウル五輪以降の大会のメダル獲得数で、アテネ五輪を除いて、日本を圧倒し優越感に浸ってきたのに、今回はそうならず、悔しくて仕方なかったようなのだ。日本人は韓国のことなど歯牙にもかけないのだが・・・相変わらず不思議な国民性である。
 もっとも、まるで日韓戦かと見紛うほど日本を引き合いに出す韓国のメディアの体質が古いと冷めた目で見る一般の韓国人もいるようだ。また、ネットでは「ククポン」なる造語が飛び交ったという。「クク」は「国」、「ポン」は「ヒロポン」のことで、「愛国主義ヒロポン」を打つように、過度に愛国主義を煽る行為を否定的に指す言葉なのだそうだ。五輪期間中、自国選手を過度に応援する中継放送を「ククポン」と呼んで、特に若者を中心に敬遠する雰囲気があったという。
 玉置氏はある大企業の役員の声を紹介する。「アーチェリー、柔道、射撃、レスリング・・・韓国のスポーツ界は五輪でメダルを獲得できそうな種目を選び、財閥に支援させて集中的に強化・育成してきた。陸上や水泳など基礎種目を強化しようという発想などなく、メダル獲得という目標に一直線に進んできた」「造船、鉄鋼、半導体、自動車・・・など政府と財閥が二人三脚で特定産業を育成してきたのと同じパターンだ。一部の業種、種目はまだ大丈夫だが、全体的にはどちらも大きな壁にぶつかり始めている」というのだ。なるほど、持てる少ない資源を勝てる分野に集中投資する、後発の弱者の戦略と言えようか(「圧縮成長モデル」と呼んでいるらしい)。お国柄をよく表していて、鋭い分析だ。韓国よりも後発の国が似たような戦略を取れば、韓国の立場は苦しくなる道理だ。サムスンのスマホが、小米のような後発の中国企業に苦しめられているように・・・
 さらに菅野朋子さんによると「韓国がエリート教育にだけ集中しているのに対し、日本は生活体育(生涯スポーツ)が根づいており、そのため、競技人口の底辺が広く、広い裾野からエリート教育を進めている。生活に根づいたスポーツを広めることが大事」と論じる(まともな)韓国メディアもあったようだが、日本はむしろエリート教育が苦手である。日本をライバル視するのではなく、単なる一つのモデルとして、韓国自身の行き過ぎたありようを是正するべく冷静に見詰め直した方がよいように思うが、余計なお世話か。
 なお、韓国と言えば、前回ロンドン五輪のサッカー、柔道、フェンシングなど、「韓国がらみのおかしな判定」が横行したことを引き合いに出し、今回リオ五輪では、「誤審防止」の名目で、判定に異議を唱えたらビデオ判定するシステムが導入されたため、柔道で16年振りに金メダル・ゼロに終わった、などと、まるで「審判買収」が出来なくなったことを韓国不振の原因とみる鋭い分析もあったが、コメントは避ける。
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