風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

本日の日経全面広告

2016-09-30 00:05:19 | 時事放談
 今日の日経は、全面広告に目が留まった。朝はベッキー、夜は新華社である。どういう風の吹き回しであろう。
 ベッキーの方は、宝島社の広告で、30段カラー見開き(つまり丸々2頁分)、ショートヘアに裸の背中を大胆に見せるものだった。実は朝の通勤電車ではベッキーみたいだけど果たしてベッキーなのかどうか特に気にも留めなかったのだが、産経Webが「(イメチェン)衝撃写真」と報じていたので、夜、あらためてしげしげと見てしまった。上部に「あたらしい服を、さがそう」「宝島社」と、それほど大きくない言葉が添えられただけのシンプルなもので、それだけにインパクトはある。同社が発行するファッション誌を盛り上げるのと、ベッキーの身上とを掛けたもののようだ。
 ベッキーにすっかり飲まれたのか、日経夕刊8面に新華社のカラー全面広告が出ていたが、ネットでは全く話題になっていなかった。日経に新華社の全面広告が掲載されたことに、私は初めて気が付いたのだが、もしかしたら過去に既にあったのかも知れない。
 勿論、アメリカでは中共系メディアが著名紙によく広告掲載し、学校の先生に訴えるワガママなガキ然と、独り善がりの主張をしているのを知っている。所謂パブリック・ディプロマシー(広報文化外交)である。中でも4年前、尖閣諸島を国有化したときに、チャイナ・デーリー紙(中国の英字紙、中国日報)がNYタイムズ紙とワシントン・ポスト紙に「釣魚島(=尖閣諸島)は古来より中国固有の領土」「日本が横取りした」などと広告を掲載したのに対し、在米日本大使館が激しく抗議したことが記憶に残る。
 今日の全面広告では、先般、杭州で開催されたG20で習近平国家主席が行った開催スピーチを誉めそやし、「『中国の処方箋』はなぜ世界に賞賛されるのか」とタイトルし、「処方箋」の内容には一切触れずに、ただ空虚な言葉で現象を自画自賛するばかりである。どこそこの国の誰それもこんなふうに褒めている、などと引用するが、実はオーストラリアの経済学者もフランスの国際関係の専門家も華人系だったりする。ここ数年、大国意識を背景に周辺諸国に対して強気に出て却って反発を招き、裏目に出るのを、ちっとは反省しているのだろうか。例えばプロパガンダで民衆を誘導する中国より、自由な言論空間が広がる日本で、相手国への感情が悪化していることに、ちっとは気を揉んでいるのか。あるいは新常態と呼んで、内需主導の経済へのスムーズな転換を図りたい中国共産党は、日本の対中投資の落ち込みが想定以上に激しいのを懸念しているのか。
 この全面広告は、何度読んでも何が言いたいのか理解できず、さっぱり頭に入らない。これまで裏で日本のメディアを操ってきたのを、堂々と正面から懐柔しようとしているのかどうか、それなら、もっと日本語らしい日本語で日本人に書いてもらうようにした方がよいし、露骨に体制に擦り寄る姿勢はしらじらしく、日本人には全く受けない(ここは言論の自由が保証された日本である)ことも、理解しておいた方がよい。
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