「なぜなぜ分析」という言葉がある。「ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(「なぜ」)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(「なぜ」)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段」(Wikipedia)である。私なりには真因を探るプロセスと思う。トヨタ生産方式を構成する代表的な手段の一つで、トヨタでは「なぜ」を5回繰り返すと言われる(まあ、必ずしも5回に拘る理由はないとも言われる)。
民進党代表に蓮舫女史が就任した。旧民主党時代を含めて初の女性党首の誕生だそうで、最近で言えば英国やオーストリアや台湾やミャンマー、さらに遡ればポーランド、ネパール、クロアチア、スコットランド、チリ、ノルウェー、韓国、バングラデシュ、ドイツなど、首相や国家元首クラスに女性が就任し、近い将来も健康の懸念さえなければ米国でも女性がトップになりそうなご時勢で、時代は変わったものだと思うが、勿論、民進党においても歓迎はする(ただ、女性らしさを失わず、しなやかに身を処して欲しいものだと思う)。しかし、国籍という重大事を疎かにして来たのは、(うちの上の子も米国生まれで国籍を選べるだけに)決して記憶違いでもうっかりでもないと断言する。国会議員として、また将来の総理の椅子を狙うのであればなおのこと迂闊では済まされない。真摯に反省して欲しい(税金をはじめとして国民国家体制の根幹に関わる問題だけに、果たして反省すれば済むのかという気すらする)。それはさておき、新代表に選出された挨拶で「重責をしっかりと受け止めて、必ず選んでいただける政党に立て直す先頭に立っていきたい」と抱負を語ったのは、まさにポピュリズムそのもので、いただけない。「なぜなぜ分析」に従い、何故「選んでいただける」のかと考えると、国民の支持を得られる、さらには国家百年の大計とは言わないまでもリードして支持を得る政策を打ち出すこと、そしてそれに沿って野党第一党としての矜持をもち自民党と建設的な議論を戦わせることだろう。ところが、早速、衆院東京10区、福岡6区両補欠選挙で、野党共闘の枠組みを維持すると言う。党綱領で自衛隊解消を掲げ、日米安保条約廃棄を目指す共産党と、である。これで国民に「選んでいただける政党」になれると思っているとしたら、これも迂闊では済まされない。鳩山・菅政権で失った党への信頼を回復するのに20年かかると言った評論家がいたが、それは大袈裟にしても、こうしたところからも信頼は掘り崩されるわけで、前途は極めて厳しいと言わざるを得ない。二大政党制が良いかどうか議論があるが、国会内でチェック・アンド・バランスを働かせることは重要である。民進党の奮起を促したい(今のままではどう転んでも余り期待できそうにないのだけど)。
以前にも引用したニクソンの著書「指導者とは」は、実に味わい深い言葉に溢れている。ドゴールについて、こう評している。「運命の流れを感じていたドゴールは、単に大統領になりたいから大統領職を欲したのではない。フランスの必要とする指導力に応じるのが自分を措いてないと信じてはじめて、大統領職を望んだ。政治の世界のおとなと子供を区別するのは、まさにその点――子供は偉くなりたいから高いポストを狙うが、おとなは何事かを為すためにそれを望むものである。ドゴールが権力を欲したのは、わが身のためでなく、それを行使せんがためだった。」何と言う傲慢。しかし何と高邁なことか。もとよりドゴールと比べられても、可哀想なだけなのだが。
民進党代表に蓮舫女史が就任した。旧民主党時代を含めて初の女性党首の誕生だそうで、最近で言えば英国やオーストリアや台湾やミャンマー、さらに遡ればポーランド、ネパール、クロアチア、スコットランド、チリ、ノルウェー、韓国、バングラデシュ、ドイツなど、首相や国家元首クラスに女性が就任し、近い将来も健康の懸念さえなければ米国でも女性がトップになりそうなご時勢で、時代は変わったものだと思うが、勿論、民進党においても歓迎はする(ただ、女性らしさを失わず、しなやかに身を処して欲しいものだと思う)。しかし、国籍という重大事を疎かにして来たのは、(うちの上の子も米国生まれで国籍を選べるだけに)決して記憶違いでもうっかりでもないと断言する。国会議員として、また将来の総理の椅子を狙うのであればなおのこと迂闊では済まされない。真摯に反省して欲しい(税金をはじめとして国民国家体制の根幹に関わる問題だけに、果たして反省すれば済むのかという気すらする)。それはさておき、新代表に選出された挨拶で「重責をしっかりと受け止めて、必ず選んでいただける政党に立て直す先頭に立っていきたい」と抱負を語ったのは、まさにポピュリズムそのもので、いただけない。「なぜなぜ分析」に従い、何故「選んでいただける」のかと考えると、国民の支持を得られる、さらには国家百年の大計とは言わないまでもリードして支持を得る政策を打ち出すこと、そしてそれに沿って野党第一党としての矜持をもち自民党と建設的な議論を戦わせることだろう。ところが、早速、衆院東京10区、福岡6区両補欠選挙で、野党共闘の枠組みを維持すると言う。党綱領で自衛隊解消を掲げ、日米安保条約廃棄を目指す共産党と、である。これで国民に「選んでいただける政党」になれると思っているとしたら、これも迂闊では済まされない。鳩山・菅政権で失った党への信頼を回復するのに20年かかると言った評論家がいたが、それは大袈裟にしても、こうしたところからも信頼は掘り崩されるわけで、前途は極めて厳しいと言わざるを得ない。二大政党制が良いかどうか議論があるが、国会内でチェック・アンド・バランスを働かせることは重要である。民進党の奮起を促したい(今のままではどう転んでも余り期待できそうにないのだけど)。
以前にも引用したニクソンの著書「指導者とは」は、実に味わい深い言葉に溢れている。ドゴールについて、こう評している。「運命の流れを感じていたドゴールは、単に大統領になりたいから大統領職を欲したのではない。フランスの必要とする指導力に応じるのが自分を措いてないと信じてはじめて、大統領職を望んだ。政治の世界のおとなと子供を区別するのは、まさにその点――子供は偉くなりたいから高いポストを狙うが、おとなは何事かを為すためにそれを望むものである。ドゴールが権力を欲したのは、わが身のためでなく、それを行使せんがためだった。」何と言う傲慢。しかし何と高邁なことか。もとよりドゴールと比べられても、可哀想なだけなのだが。