風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

日本シリーズ第一戦

2020-11-22 00:26:39 | スポーツ・芸能好き
 日本シリーズ初戦、巨人・菅野とソフトバンク・千賀のエース対決は、ソフトバンクが快勝した。巨人ファンとしては辛いが、力負けである。2013年の第7戦から、昨年、そして今年と、日本シリーズ6連敗は、球団史上59年ぶりの屈辱だそうである(対するソフトバンクは、日本シリーズ新記録となる9連勝)。とりわけ昨年の日本シリーズ4連敗は、会社に行くのが嫌になるほどこたえたもので(笑)、そんなパに「一泡吹かせたい」とリベンジを誓った菅野だったが、勝てなかった。言い訳はいろいろ用意してある(笑)。
 まあ、巨人としてはスロースタートになるだろうとは予想していた。よく言われることではあるが、クライマックス・シリーズがなく、実戦から遠ざかっていたこと、ペナントレース終盤は調子を落としていたこと(逆に、ペナントレースを独走した原マジックの方が驚きだった)、ホームの東京ドームが使えないこと。さらに中期的に見れば、以前から人気のセ、実力のパと言われたものだが、明らかにパの実力が上回っていること、そのパでソフトバンクは2位に14ゲーム差をつけてぶっち切りで優勝したこと。
 セ・パの格差ということでは、今年はコロナの影響で交流戦がなかったが、昨年までパが10年連続で勝ち越している。日本シリーズでは、この10年間でパが9勝1敗(この1敗の相手は2012年の巨人)で、現在7連勝中である。そのため、今年で71回目を迎える日本シリーズの過去の対戦成績は、セ・パともに35勝ずつで五分となった(かつては巨人の9連覇があるなど、セが圧倒していたものだが)。冷静に眺めれば、そして選手層の厚さを見ても、どうひっくり返しても、ソフトバンクの優位は動かない。
 今年の日本シリーズでは、特例で全試合DH制が採用されることが決まり、話題になった。「交流戦中止で、今季一度も打席に立っていない投手に余計な負担が掛かる」というソフトバンクの提案を巨人が受け入れたもので、原監督は、「(全試合DH制導入による)有利とか不利とか、そんな議論は、もうすぐ90年を迎えようとしている野球界に対して失礼。やっぱり『ファンが何を望んでいるか?』というのは、とても大事なことですよ」と、啖呵を切った。以前から、DH制で、セはパに相当差をつけられていることを実感し、セでもDH制を使うべきと発言して来た原監督らしい潔さである。
 普段、セのことしか気にしないので、正直なところDH制なるものを余り真剣に考えたことがなかったが、あらためて思うに、選手に緊張感を与えるものであるのは間違いなさそうだ。野手の出場枠が1つ増えて育成に繋がるし、投手は切れ目のない打線に気を抜けないし、中・終盤にチャンスで打順が回ると代打が出て投手交代ということにならないので、より長いイニングを投げるチャンスがある。投・打それぞれが切磋琢磨の好循環を生んで、レベルアップに繋がっているという指摘は正しいのだろう。あるスポーツ紙の記者は、観ていて純粋に面白いのは、やはりパの試合であり、何より野球がダイナミックで、どのチームにも「この選手のプレーが見たい」という選手がいる、と語っている。
 原マジックがなければ、あっさり返り討ちにあいそうな今シリーズだが(苦笑)、南海以来の伝統のホークス戦である。惰性で続ける50年来の巨人ファンとしては、かつての王者として、ガムシャラに、ではなく、飽くまで巨人らしくスマートに、意地を見せて欲しいものだ。
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