かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

入院中の生活

2020年11月13日 19時50分40秒 | みゆみゆとの生活
児童精神科でレスパイト入院をやっている病院はとても少ない。
そして、強度行動障害に特化した病院となると、今そうちゃんが入院してるとこ以外に聞いたことがない。
どんな入院生活なのか気になる方もいるかと思ったので、書いてみる。

基本的にこの病棟は、知的障害が重く強度行動障害がある子が対象となっています。
強度行動障害とは、「自傷・他害・著しい多動・異食・激しい物壊しなどの行動が通常では考えられない頻度と形式であり、かなりの養育努力があっても著しい処遇困難が持続している状態」というのが定義です。
そうちゃんはこれに当てはまり、入院の資格あり!な子です。
ただ、ほとんどの子が他害があるので、そうちゃんは穏やかな部類に入るようです。
看護師さんは男の方が多いです。

行く度にいろんな子が廊下にいるけれど、会話ができる子には会ったことがありません。(言葉がないか、一方的か、独り言)
大体が中学生以上で、体の大きい子が多い印象です。
病棟はすべて個室で、ガラスは割れないように強化ガラスになっています。
ベッドと机と椅子があるだけで、他には何もありません。
部屋によっては窓もなく、ベッドを壊したり椅子を投げる子なら布団のみ、ということになります。

子どもがいたずらをしないよう、トイレは普段鍵がかけてあります。
壊されないようにステンレスでできた便器です。
トイレットペーパーは1回分だけ渡されます。
流すのは、職員さんがやります。
トイレを見ただけでも、かなり独特です。

昼間は学校に通うことはできませんが、時々散歩に行ったり病棟保育士さんが遊んでくれたりします。
ビデオを見ることもできます。
たまに作業療法士さんが来て訓練をしたり、集団活動をすることもあるようです。(このあたりは詳しく聞いていないのでよく知らない)
基本的には暇な時間が多いと思います。
そうちゃんは自室のベッドにいたり、廊下をウロウロ歩いたりして空き時間を過ごしています。
7月に入院した大学病院の保護室は、部屋から一歩も出られず常にカメラで監視されトイレも部屋の隅にあったので、それよりは自由が多いと言えます。

面会は、5~6日に一回程度行きます。
差し入れをしてもいいので、いつもコーラやおやつを持参します。

ざっと、こんな感じの入院生活が3週間。
どうでしょ?
もし私だったら、しんどいだろうと思ってしまいます。
ただ、幸いそうちゃんは全く刺激のないこの生活が、嫌いではないみたいです。
そこは親として救いです。
そして、行動観察をしながら減薬をするには、このくらい環境因子が少ない方がいいとも思います。

双極性障害の疑いを指摘されているそうちゃん。
5月の入院中はお散歩を嫌がり、ほとんど部屋でじっとしていておとなしかったといいます。
1月の入院もそんな感じだけど、声は大きかったみたい。
その前の9月の時は、廊下を走り回って、毎日かなり「にぎやか」だったとか。
今回どうなるか予測がつかないけど、「減らすとしたらリスパダール」「入院中の様子を見て考える」と言ったおひげのドクターの判断にお任せするしかない。

今日、私は介護のお仕事で、「入浴介助」のデビューをしました。
身体の不自由な方の入浴は、気を抜くと事故につながるので気を張ります。
気持ちよさそうに湯船につかってくださる利用者さんを見守りながら、そうちゃんは看護師さんにどんな風にお風呂に入れてもらっているのだろう、と頭をよぎりました。
思い浮かべたのは、そうちゃんがお風呂でニコニコと笑いながら鼻歌を歌っている姿。
そして、看護師さんがつられて笑っている顔。
それが現実であってほしいと、遠くから思う。

心配だな。
会いたいな。