あんな簡単な絵本が何であんなに高いの?と、疑問に思ったことはありませんか。教師をやり始めた頃、不思議に感じていました。文字は少なくほとんど絵ばかりで、これなら誰でも絵がうまけりゃ絵本はかけるんじゃないのかと真顔で思っていました。当時、初めて接した絵本が{おおきなおいも」の本だったことを記憶しています。ほとんど絵だけのストーリーですが、実に子供の好奇心を刺激しながら場面が展開して行くのです。私も感心してしまいました。絵本というのは、だから絵本というのだな。絵が幼児に取っては言葉の代わりになるんだな、と、あらためて思いました。
その絵本はあるサークルの人たちが高層ビルの団地の上からおおきなおいもの絵を描いて最上階からそれを垂れ幕のように垂らして子供達に読み聞かせをしていたようでした。それをA4版くらいの絵本にまとめたというお話を聞いてびっくりしたことを思い出します。そうか、絵本ってこんなストーリーが裏に隠れていたんだなと、あらためて感心したしだいです。絵本だけあって、さつまいもの赤紫の色がなんともいえない微妙な色使いで本物のおいもとそっくりの色が出ていました。学校の子供たちには何回も読み聞かせをしてやったことが今なつかしく思い出されます。
まだ、新任教師でしたので、絵本の読み聞かせや語り聞かせの研修にもいき、実際の作者と出会いお話が直接聞けたことは貴重な体験となりました。今、振り返れば当時の本物と出会っていたのだと思います。