前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

「ゼロの焦点」

2009年12月27日 | Weblog
    話題の「ゼロの焦点」。あらためて、光文社のカッパで再刊されたものを読んだ。一気に読んだ。そして、映画館で広末涼子、中谷美紀、木村多江の「競演」を観た。映画は前作のほうがインパクトがあるかな、とも思った。展開に冗長さを感じるところがあったからかもしれない。が、「競演」は圧倒的迫力。韓国ロケもおこなった力作。

    この小説後、断崖では自殺者が増え、清張が碑を建てたという。なぜ社会的に話題になった場所で自殺するのか。人生RESET、という主題と絡むのかもしれない。当時の清張ブームのなかでのヒステリー現象であったか。

   高石友也が歌っていた歌に、「わたしに 人生といえるものがあるなら あなたと過ごしたあの夏の日々  できることなら あの日にかえりたい」というような歌詞があった。
「あの日にかえりたい」もRESET願望と郷愁が半々か。

いま、「派遣ぎり」「失業」などで三国の断崖で自殺を考える人が増えている、と繰り返し報道されている。職に就き、「希望」が一度も灯らなかった人生ではなかっただろう。

その灯が、ヨーロッパでは消されることはないのに、日本では「大企業中心」という強い政治の息が吹きかけられて消されている。

   先日も大学関係者と話していたら就職難のことが話題になった。県内では全体として女子は優秀で男子よりも内定は高いと聞いた。
しかし、いくつ受けても受からない女子学生が言ったという。「イギリス人の女性を殺した殺人者が職に就けて、どうして私が就けないの」。
女子大学生がこのような気持ちに追い込まれている、自分の存在価値を見出せなくなっているのはとても悲しいこと。

社会人としての第一歩の希望の灯が消されている。

こうして、灯を消し続ける日本が明るくなるはずはない。

いま、政治にも、企業にも、湿った薪に火を点す努力が求められている。
新しい年の政治戦では、このことを問いたい。