前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

荒川洋治「茶箱」

2009年12月21日 | Weblog
   昨日は、日本共産党の地区大会があり、途中あいさつをした。いよいよ来年1月の党大会成功と参院選勝利めざす取り組みの飛躍をつくる運動も正念場。そのあとは、党員の方々とひたすら地域訪問、あいさつまわり。寒かったね。しかし、みなさんの激励で寒さも感じない。実家から届いた草もちで栄養補給。

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昨日の日経新聞文化欄に荒川洋治氏が「茶箱」と題して書いていた。
ちょうど、「文学の門」(みすず書房)を買ったところなので興味深く読んだ。

誰もいない三国の実家での3日間。・・・・・小学生時代に閉鎖された工場のなかにある「茶箱」を開けると、40年ほど前の高校の頃に買った雑誌が。・・・武生で発行していた「武生文学」、福井市で発行されていた「木の実」など。・・・人文系の出版社のPR誌「創文」もあった。・・・茶箱の時間は楽しかった・・・黙するものにはいつまでも学ぶべきものがある。・・・・


「文学の門」のなかの一節・・・いつもいる町には、大きい書店がない。電車で1時間、福井市の品川書店で、無料でもらえる雑誌を見つけた。創文社のPR誌・・年間120円とある。毎月送られてくるのだから安い。・・毎月、「創文」を目で見ていた。・・・


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   わたしが高校時代を過ごした坂井町には小さい書店もなかった。福井に出て、ひまわり、勝木、品川と歩く。ひまわり、品川はもうすでにない。同様に、PR誌と出あった。わたしの場合は「ちくま」が最初。吉川幸次郎さんの連載も難解だが面白かった。年間数百円だったか。「味をしめて」、「未来」「波」「本」など何種類かとっていった。学校では出会えないいろんな人たちと会える楽しみが毎月あった。
  5、6年前か。ある書店で本を買い、お金を払おうとして、台の下にあるPR誌をとって、「これください」と渡したら、男の店員が「はい」と返事をして、「ピッ」と100数十円だか計算してしまった。「あっ」と思ったが、そのままお金は払った。無性に腹がたった。「店員教育ができてないな」と思っていたら、しばらくしてその店はなくなった。

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荒川氏は、・・・ネットという「機械」ができて、画面のなかで文章を書く人がふえた。責任もないし、気軽なので、わき出てくることばをそのまま発表。気持ちがよいので疑問をもたない。それが書籍などの紙媒体の文章にも感染しつつある。文章を書くこと、公表することは、どういうことなのか。この先どんな意味をになうのか。考えるときがきた・・・・と、「警告」している。

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    わたしもこのような形で「気軽に」意見・雑感などをだしている。のべでいうと日本でも数千万人がなんらかの形でネット上に表現しているのではないか。実名、匿名いろいろある。
このブログにも「お叱り」をいただき、修正削除したケースもある。
県議時代のように何万枚もの議会報告でみなさんに県政の問題点や見解を一気にお伝えすることはできない。そのような資金もない。ささやかではあるが、このブログでは今後も「責任」ある意見表明をしていきたいと思っている。

 
  「茶箱」のような経験を夢見るのであれば、そのためには茶箱となかに入れるものが準備されなくてははじまらない。ネット上だけで「生活」していると、その醍醐味からは遠ざかるかもしれない。