たまさかに秋のひと夜を待ちえても明くるほどなき星合(ほしあひ)の空(新勅撰和歌集)
七夕のよるのちぎりはほどもなく明くるかなしき星合の空(文保百首)
明けぬとも天の川霧立ちこめてなほ夜(よ)をのこせ星合の空(続後撰和歌集)
朝戸あけてながめやすらむ七夕はあかぬ別れの空を恋ひつつ(後撰和歌集)
天つ風なほ吹きとぢよ七夕の明くるわかれの雲の通ひぢ(続後撰和歌集)
七夕の待ちつるほどのくるしさとあかぬ別れといづ れまされる(詞花和歌集)
たなばたの涙やそへてかへすらむ我が衣手の今朝はつゆけき(続後撰和歌集)
夜のほどに水(み)かさやまさる天の河かへさは袖をしぼりつるかな(重家集)
天の河みづかげ草におく露やあかぬわかれの涙なるらむ(新勅撰和歌集)