「なぞえなし」という単語には、「差別のないさま。一様であるさま。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『千首和歌太神宮法楽』(1542年)からの例が早いのですが、さらに、300年ほどさかのぼる用例があります。
世の中よたかきいやしきなぞへなくなどありそめし思ひなるらん(拾遺愚草、上、161)
『新編国歌大観3 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、788ページ
山ひめのこきもうすきもなぞへなくひとつにそめぬよもの紅葉ば(拾遺愚草、上、1436)
『新編国歌大観3 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、804ページ