「にほてる(におてる)」という動詞は日本国語大辞典では、語義未詳とされており、『月清集』(1204年頃)からの例を早い用例として挙げていますが、少々さかのぼる用例があります。また、この語は、和歌によく用いられるとのことですが、散文用例も見つけました。
辛崎やにほてる沖に雲消て月の氷に秋かせそふく
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、藤原良経、秋)
『続群書14下』580ページ
今宵の月もおもしろきに、にほてる影も見がてら
(しら露・下)
『中世王朝物語全集10』笠間書院、1999年、240ページ