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古典の季節表現 春 闘鶏・鳥合

2021年03月03日 | 日本古典文学-春

さくはなも-なくうくひすも-はるはなほ-とりあはせたる-ころにもあるかな
はるさめの-なこりのにはに-ぬるとてや-あはするとりの-みのけたつらむ
(為忠家後度百首~日文研HPより)

「三日の御鳥あはせに、ことしは女房のもあはせらるべし。」ときゝしかば、わかき女房たち、心つくしてよきとりども尋ねられしに、宮内卿のすけどのは、「爲教の中將がはりまといふ鳥をいださん。」などぞありし。萬里小路大納言のまゐらせられたるあかとりの、いしとさかあるがけいろもうつくしきをたまはりて、あきつぼねにほこらかしておきたるを、もりありといふ六位が、「そのとりきとまゐらせよ。」といふ。かまへてとりなどにあはせらるまじきよし、よく\/いひてまゐらせつ。とばかりありて、かためはつぶれ、とさかよりちたり、をぬけなどして、見わするほどになりてかへりたり。おほかた思ふばかりなし。「今はゆゝしき鳥ありとも、なにゝかはせん。たまはりの鳥なれば、きくもいみしらむとこそ思ひしに。」など、かへす\〃/こゝろうくて、辨内侍、 
われぞ先ねにたつばかりおぼえけるゆふ付け鳥のなれる姿に 
三日、御鳥合なり。御所もひろ御所へいでさせおはします。冷泉大納言・萬里の小路大納言・左衞門督・三條中納言〔公親〕・頭中將〔公保〕・伊與中將〔公忠〕・すけやすの中將、藏人はのこりなし。はつゆきなるあか〔みイ〕こくろなどいふ鳥ども、かねてよりふせごにつきて、おの\/あづかりて、丁子・じやかうすりつけ、たきものなどして、「いづれかにほひうつくしき。」とぞあらそひし。みすのうちより出だされしかば、萬里小路の大納言たまはりて、あはせられし。ゆゝしかりし君なり。ひよ\/より御所に御手ならさせおはしまして、かひたてられしいみじさばかりにてこそ侍れ。御とりがらはあやしげなれば、「かたせん。」とて、それよりおとりたる鳥どもにあはせられしもをかし。公忠・公保がとりあはせしをり、「伊與中將がとり、そらおとりする。」とて人々わらひしに、冷泉大納言、「ひさかたのそらおとりこそをかしけれ。」とのたまへば、公忠「さこそ。」といひたりし、をかしくて、辨内侍、 
雲ゐとはなれさへしるや久かたの空おとりする鳥にも有る哉 
(弁内侍日記~群書類從18)

廿八日、庚子、早旦参内、於殿上小庭御覧闘鶏、数剋無勝負、各可謂翹楚之歟、今夕宿仕、
(中右記・嘉保1年1月28日条~東京大学史料編纂所データベース・古記録フルテキストデータベースより)

十三日、甲申、終日候御前、依当番供朝夕膳、終日有闘鶏興、困幡守長実(藤原)所献黒鳥已負了、頗雖異物無雄飛興歟 、(略)
(中右記・嘉保1年3月13日条~東京大学史料編纂所データベース・古記録フルテキストデータベースより)

保延元年三月三日丙子、女院有鬪鷄事、左方限合之、{摸臨時祭方}右頭經宗、依病不參之故也、 ○按ズルニ、三月三日鬭鷄ノ事ハ、遊戲部物合篇ニ詳ナリ、
(長秋記~国文学研究資料館HPの古事類苑データベースより)

(保元三年)二月十三日。於弘徽殿壺有闘鶏事。月卿雲客為左右念人。有勝負舞。
(百錬抄~新訂増補 国史大系11)

(宝治元年三月)三日 丙辰 営中ニ、闘鶏ノ会有ルナリ。此ノ間、若狭ノ前司等、聊カ喧嘩ス。 
(吾妻鏡【宝治元年三月三日】条~国文学研究資料館HPより)

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1 コメント

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Unknown (mono)
2022-03-04 21:36:24
為忠家後度百首を追加しました。
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