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古典の季節表現 三月

2013年03月19日 | 日本古典文学-春

三月
弥生の空にはさき残る花もなし
うちつづく春雨にちりすぐる枝々青葉まじりの花の色
人の心をぞまよはし悩ますものなる名どころおほき花のにほひ
吉野初瀬はさら也
嵯峨野の御寺には大念佛とて
むかしよりさだまれるおこなひありき
せんくんしゅしてまうでぬるにをしつづきて
十九日はさがのゝ如來の御身をぬぐひ奉る
まことに三国(ごく)第一の名佛(めいぶつ)ぞかし
廿一日は高野大師(かうやだいし)の御影供(みえいぐ)
かのたか野の御山はほどとをければ申すにたらず
みやこちかき東寺(とうじ)のさんけい仁和寺高雄(たかお)のまうであるもけしからぬさま也
わらはべのことわざとて
都の町々よりうへつかたまで庭鳥(にはとり)あはせのなぐさみあり
庭鳥は智仁勇(ちじんゆう)の三徳(とく)をそなへてものゝふのよきならはし也
またむかしよりいひならはすなる千羽(ば)の庭鳥をかふときは
其家かならず長者となるといへり
(佛教大学図書館デジタルコレクション「十二月あそひ」より)

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