山吹の花かげ見ゆる沢水にいまぞ蛙(かはづ)のこゑ聞こゆなる(古今和歌六帖)
山吹の花のさかりになりぬとやをり知りがほにかはづ 鳴くらむ(六百番歌合)
水(み)がくれてすだくかはづ のもろ声にさわぎぞわたる井手の浮き草(後拾遺和歌集)
真菅(ますげ)おふる荒田に水をまかすればうれしがほにも鳴くかはづ かな(風雅和歌集)
瀬をはやみ落ちたぎちたる白波にかはづ 鳴くなり朝宵(あさよひ)ごとに(万葉集)
春ふかみ花散りかかる山の井のふるき清水にかはづ 鳴くなり(夫木抄)
暮れてゆく春を惜しとやもろごゑに井手のかはづ のすだくなるらむ(永久百首))
夏ちかくなりにけらしな山城の和泉の里にかはづ 鳴くなり(夫木抄)
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