竹
夕まぐれ降るとも見えでしら雪のつもればなびく庭のくれ竹(玉葉和歌集)
降る雪に軒ばの竹も埋もれて友こそなけれ冬の山里(千載和歌集)
松
高砂の尾上の嵐ふくほどは降れどつもらぬ松の白雪(続千載和歌集)
うづ もるる風やしたよりはらふらむ積もればおつる松のしら雪(新後拾遺和歌集)
降りつもる梢や今朝はこほりぬる風にもおちぬ松の白雪(玉葉和歌集)
世の中にひさしきものは雪のうちにもと色かへぬ松にざりける(貫之集)
ふりまさる年をかさねて見つるかな ならびの岡の松の白雪(続千載和歌集)
冬きては雪の底なる高砂の松を友とぞいとどふりぬる(続拾遺和歌集)
杉
三輪の山 夜(よ)のまの雪にうづ もれて下葉ぞ杉のしるしなりける(続拾遺和歌集)
下折れのおとのみ杉のしるしにて雪の底なる三輪の山もと(続後撰和歌集)
こがらしにつれなく残る奥山の杉のこずゑも雪折れにけり(正治二年初度百首)
梅
けふ降りし雪にきほひてわがやどの冬木の梅は花咲きにけり(万葉集)
花のいろは雪にまじりて見えずとも香(か)をだににほへ人の知るべく(古今和歌集)
たちかはる春をも待たで咲く梅やまれなる色に匂ひそむらむ(前摂政家歌合)
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