monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

国立国語研究所の日本語コーパス“KOTONOHA”

2010年04月06日 | 読書日記

 現代語の用例探しに強力なツールを発見しました。「KOTONOHA」という国立国語研究所が作っている日本語コーパスです。まだ構築途中らしくて、2011年完成予定とのこと。デモ版はオンライン公開されていて、検索ができるようになっています。(KOTONOHAの検索ページはこちら。)
 “生きた=現代の日本語”の全体的な把握のためのデータ、ということで、1970年代以降、おおよそ2005年までのサンプルを収集しているので、青空文庫のデータを補完する形で、用例探しに利用できると思います。
 (ざっとしか説明を読んでないので間違ってるかもしれませんが、1億サンプルが達成目標のようです。「1億語」という表現になっているのですが、抽出サンプルの数が1億、という意味だと解釈しました。)

 残念なのは、より高度な検索ができるデータの配布は。研究者・大学院生に限られていること。一般の個人は不可ってことで、入手できず残念です。
 あと、用例の前後を自由に確認できないのが、不便。現物に自分であたってみたいので、ページ数の表示がないのも不便です。
 そう考えると、“Google ブックス”の方が便利かなとも思います。大体同じ年代をカバーしてるし。(限られた出版物しか検索できませんが。)

 このコーパスを利用したコロケーション辞書の試作も研究内容の一部らしいです(文部科学省の科研=科学研究費補助金の特定領域研究)。どんな辞書になるのか、とても興味があります。

 同じようなコーパスを、古語でも作成してくれないかしら? 時代を、上代・平安・中世・近世に分けて検索できるような。ただ、用例の数はたくさん欲しいので、ランダムサンプリングじゃない方法でサンプル抽出してほしいです。(というか、作品全体をデータとして取ってほしい。)

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創作古典和歌(つづき)

2010年04月05日 | 日本古典文学-和歌

 過去のブログ(創作古典和歌)に、コメントをいただきました。
 山口游さんの「平安時代の京ことばをめぐって」というサイトを教えていただきました。じっくり読んで勉強させていただきたいです。

 最終章には、自作の擬古的和歌(詞書付き)も盛り込まれており、興味深かったです。私なら、

  聞けばなほ過ぎにしかたぞしのばるる飛鳥の寺の入相のこゑ
  たちかへり来しかたのみぞしのばるる聞くにもの憂き入相のこゑ

歌意はちょっと変わってきてしまいますが……。
 こういう、単語をちょっと取り替えたりして和歌を改作するという試みは、王朝びともきっとやっていたのだろうな、と想像できて、とても楽しいです。

 そうそう、水垣久さんのサイト「やまとうた」には、「花筵」という和歌投稿掲示板があり、創作和歌を見たり(投稿したり!)できるようです。たまに現代語もまじりますが、ほとんど古語の和歌(短歌)ばかりです。

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「平安朝歌合大成」の歌題索引

2010年04月03日 | 日本古典文学-和歌

 萩谷朴の「平安朝歌合大成」(同朋舎出版)に歌題索引があるのを発見! 本文に歌題の記載がない和歌も、できるだけ歌題を推定したとのこと。
 これを参考にすれば、四季の古典和歌収集のさらなる充実が可能になりそうです。(とりこぼした歌題のピックアップとか、歌題設定の見本にもなるし、なにより、読み方が勉強になります。)

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今年度のNHKラジオ「古典講読」

2010年04月02日 | 日本古典文学

  今年度(4月から)のNHKのAMラジオ・第一放送の「古典講読」は、「徒然草」です。講師は、引き続き伊井春樹さん。(プロフィール紹介は「大阪大学名誉教授」となってますが、「(元)国文学研究資料館館長」の方が、私にはインパクトあります。)
 4月3日(土)が初回放送です。

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更衣

2010年04月01日 | 日本古典文学-和歌-夏

きのふまで馴れしたもとの花の香(か)にかへまく惜しき夏衣(なつごろも)かな(続古今和歌集)

夏木立(なつこだち)あを葉まじりの花もあればなほ染めかへじ今日の袂は(正治二年初度百首)

さくら色に目なれし雲の衣手(ころもで)もはやたちかへて山風ぞ吹く(前摂政家歌合)

さくら色に染めし衣(ころも)をぬぎかへて山ほととぎす今日よりぞ待つ(後拾遺和歌集)

春山のかすみの衣(ころも)ぬぎかへて今朝はみどりの夏のあけぼの(後鳥羽院御集)

今日といへば大宮人(おほみやびと)のしらがさね春の色こそたちかはれぬれ(新撰和歌六帖)

昨日(きのふ)にも空は変(か)はらでもろ人の衣(ころも)の色に夏は来(き)にけり(藤葉和歌集)

白たへの雲のはたての夏衣(なつごろも)今か干すらむ天の香具山(宝治百首)

なつごろもたちかへてける今日よりは山ほととぎすひとへにぞ待つ(新勅撰和歌集)

鳴く声はまだ聞かねども蝉の羽(は)のうすき衣(ころも)はたちぞきてける(拾遺和歌集)

壁代(かべしろ)も御簾(みす)にそへたるうすものも今朝たちかへて袖や涼しき(草根集)

今日よりは千代をかさねむはじめとてまづ ひとへなる夏衣かな(続古今和歌集)

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