monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

ひぐらし/蜩

2010年07月06日 | 日本古典文学-和歌-秋

庭草にむらさめ降りてひぐらしの鳴くこゑきけば秋は来にけり(拾遺和歌集)

秋風の草葉そよぎて吹くなへにほのかにしつるひぐらしの声(後撰和歌集)

ひぐらしの声きく山のちかけれや鳴きつるなへに入り日さすらむ(後撰和歌集)

夕かげに来鳴(きな)くひぐらしここだくも日ごとに聞けど飽かぬ声かも(万葉集)

ひぐらしの鳴く山里の夕ぐれは風よりほかにとふ人もなし(古今和歌集)

ひぐらしの声ばかりする柴のとは入り日のさすにまかせてぞ見る(金葉和歌集)

村雨のすぎぬる空の山かげにあはれそふなりひぐらしの声(建仁三年影供歌合)

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荻の上風

2010年07月03日 | 日本古典文学-和歌-秋

世をいとふすみかは人に知られねど荻の葉かぜはたづねきにけり(新勅撰和歌集)

いつしかと荻の葉むけの片寄りにそそや秋ぞと風もきこゆる(新古今和歌集)

ここにのみあはれやとまる秋風の荻のうへこす夕ぐれの宿(風雅和歌集)

秋はただものをこそ思へ露かかる荻のうへ吹く風につけても(新古今和歌集)

をぎの葉のすゑこす風のおとよりぞ秋のふけゆくことは知らるる(女四宮歌合)

荻の葉にすゑこす風のこたへずは秋のあはれを何に知らまし(嘉元百首)

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初秋風

2010年07月02日 | 日本古典文学-和歌-秋

露むすぶ今朝もあふぎは置きやらで我が手よりなる秋のはつ風(延文百首)

今朝はしも思ひもあへず吹きかへてむべ袖すずし秋の初風(嘉元百首)

足引の山した露のおきそめてまだ色そめぬ秋のはつ風(宝治百首)

白露はまだおきあへぬうたた寝の袖におどろく秋のはつかぜ(宝治百首)

玉にぬくつゆはこぼれて武蔵野のくさの葉むすぶ秋の初風(新勅撰和歌集)

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立秋

2010年07月01日 | 日本古典文学-和歌-秋

禊すとあさきり捨てし程もなく今朝は夜寒に風吹きにけり(和泉式部続集)

御祓(みそぎ)せし昨日の瀬々の川波に秋立つ風や今日わたるらむ(玉葉和歌集)

秋立つと聞きつるからにわがやどの荻の葉風の吹きかはるらむ(千載和歌集)

秋来(き)ぬと袖にしらせて吹きそむる荻の上葉の風ぞ身にしむ(草庵集百首和歌)

にはかにも風のすずしくなりぬるか秋立つ日とはむべも云ひけり(後撰和歌集)

秋来(き)ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(古今和歌集)

昨日(きのふ)にも照る日の影はかはらぬにけふを秋とは風の告(つ)ぐらむ(沙玉集)

浅茅生(あさぢふ)の小野のしの原風そよぎ人知るらめや秋立ちぬとも(新続古今和歌集)

おのづから秋は来(き)にけり山里のくずはひかかる真木のふせ屋に(金葉和歌集)

浅茅原たままく葛の裏かぜのうらがなしかる秋は来にけり(後拾遺和歌集)

あききぬと聞くより袖に露ぞ置くことしもなかば過ぎぬと思へば(長秋詠藻)

 

コメント (1)
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