(22:18)インターネット網のおかげで、あらゆる取引に国境と時差が無くなってしまったが、そのネットを通した時間外取引で原油価格が軽く60ドルを突破している。何事も勢いのある時は計ったように流れを加速させるような材料が出て背中を押す、というのはよく見られるパターン。今回はイラン。宗教色の強い(強硬派と表現される)大統領が誕生することになった。改革派と呼ばれ、実際に市場経済化を進めてきたハタミ大統領からの路線転換は明らかで、その度合いを測れぬことを嫌気したマネーは同国株式市場から逃げ、株価は急落。そもそも米国の「悪の枢軸」指名もあって、対立色が強まっているところへ、流れはさらに煽る方向へ。新大統領は現テヘラン市長とのことで、貧困層の支持を背景に勝ったとされる。当然宗教色の強い政権になろう。イランはOPEC内でサウジに次ぐ産油国。その油を巡って中国も触手を伸ばすが、それが原子力発電所建設と核開発の融合を恐れる米国とイランとの間に更に一石を投じることに。頼みの(?)EUはただ今お家騒動中で、あてには出来ませぬ。隣国イラクでは同じ宗派(シーア派)が主導権を握ったことでもある。結局ジオポリティカル・リスク(地政学的リスク)、政治的緊張は高まる。そこで思うのは株式市場の“耐性限界”を試すような原油の上昇(原油買い)は、反対側で株式のショート(空売り)ポジションを積み増す動きと同時進行であっても不思議はないということ。規模にもよるがヘッジファンドの中には、生き残りを掛けて最後の勝負に出ているところがあるやもしれない。いずれ金市場の材料になりそう。こちらもまぁ戦場ゆえに流れ弾に当たらぬようにしましょう。
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