24日の金市場は、テクニカル要因と見られる買い気の高まりに(ファンドのロボット・トレード?)1280ドル台を回復した前日の地合いを受け、アジアの午前の時間帯こそ買い優勢となったものの、午後に入り失速。ロンドンからNYの午前に掛けては水準を切り下げながら進行することになった。通常取引に入った時間帯に発表された10月の米製造業PMI(購買担当者景況指数)速報値が54.5と1月以来の高水準となり予想も上回ったこと。さらに良好な企業決算を受けた株高というリスクオン環境の中で、金市場では売りが膨らみ昼前には前日の安値近辺となる1274.80ドルまで売られ、これがこの日の安値となった。売り一巡後は、取引終盤に向けて下げ幅を縮小するも、プラス圏に浮上せずに終了した。
基本的に25日のアジアからロンドンそしてNYと同じような展開となっている。市場には次期FRB議長の指名人事待ちという空気が強い。
24日はトランプ大統領が共和党上院議員との昼食会を開き、税制改革案を推し進めるよう促した。その際に、現在、イエレンFRB議長、パウエルFRB理事、テイラー・スタンフォード大学教授の3名に絞られている次期FRB議長候補について、誰が適任か議員に挙手を求めたとの一部報道があり、参加者の話としてテイラー教授が優勢と伝えられるということがあった(日本時間の25日午前4時頃)。やりそうな、ことだなぁ・・と。
テイラー教授は、利上げに前向きなタカ派と目されており、議長に指名された段階で市場はドル高、米長期金利上昇で反応すると見られている。実際にこの話を受けた24日の米10年債利回りは上昇(価格が下落)し、節目の2.4%を超える2.406%で終了し、その後の時間外取引では2.423%とさらに上昇傾向を強めている。指名がテイラー教授と決まったわけではなく、現時点では未定ではあるものの、市場は先取りで反応という形に。現時点でさらに2.459%に上昇。
ちなみに米長期金利が終値で2.4%を超えるのは、手元の資料では今年の5月初旬以来のこと。当時NY金は12010ドル台での推移となっていた。これを書いている現時点で1277~9ドル程度で、引き続き下げ渋りの展開。遅れて1200ドル方向にアジャストするのか、それとも金をホールドと判断する向きが多いということか。