目が離せない

他力本願的に銀など他商品に連れ高した形のドル建て金価格だが、一昨日のＮＹコメックスでの9.7ドル高の出来高を今朝確認すると4万6千枚（1枚100オンス）と薄いことが判明。その中でも連騰したことは評価すべきか。。。今朝のニュースでイラク関連が目に付いた。武装組織の掃討作戦を進める米軍が、27日バグダッド北東部のシーア派居住地区のモスク（礼拝所）でシーア派の民兵と衝突し対米強硬派サドル派と見られる16名が死亡したというもの（8：30ＡＭ、ＮＨＫニュース）。問題はイラク側の反応で、モスクで無抵抗の市民が犠牲になったとして米軍に対する抗議運動が高まるとともに、イラク政府要人からも、米軍は治安権限をイラク側に渡すべきとの声が報じられていた。ますます泥沼化するイラクの状況は、開戦3周年の演説で大統領自らが「兵を引くのは将来の大統領」と言い出すと、慌てて一昨日はライス国務長官が「来年にかけて相当規模の削減は可能」と火消しにやっきになる有り様。権限をシーア派が主力の政府に渡し、イランと結びつくとどうなるのか。いや逆に、これを撤退の口実として使うつもりなのか。いまの状態は内戦だ、いや内戦じゃない、という水掛け論をよそに事態はますます泥沼化しているように見える。相場は地政学的リスクには慣れっこになっているのだが、イラク側と米国の距離がどんどん遠のいていく現状は、早晩、市場も無視できなくなる時が、やってきそうだ。目が離せない。