亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「ETFは増加、価格は6%強の上昇」

2012年04月02日 20時07分22秒 | 金市場
週末のNY金は4営業日目にして反発。NYコメックスの先物価格で1669.30ドルの引け(フロア取引)で1-3月期は6.3%の上昇となった。売り叩かれていたものを生産大手南ア「インパラ」社での非合法スト参加を理由とする1万7000人の労働者の解雇発表とか何とかで、引っ張り上げたプラチナも高値から落ちたもののこの四半期は17%の上昇となった。インパラは解雇した労働者を再雇用。

週末30日は四半期末で、いわゆるウィンドウ・ドレッシング的な買いがNYの12時過ぎから引けまでの1時間半位の間に見られたようだ。ショートの手仕舞いもあったのだろう。

上昇の背景の一つは、30日にコペンハーゲンで開かれたEU財務相会合にて合意した、いわゆるファイアーウォール(金融安全網)の規模拡大。8000億ユーロ(約87兆円)にすると。ドイツの譲歩で決まった。7月に発足予定のESM(欧州安定メカニズム)に既存のEFSF(欧州金融安定基金)を当座は並立させる。米国やカナダが早くから拒否している同時進行中のIMFの融資拡大の資金調達は、“まずはヨーロッパの自助努力を”ということで、EUでの安全網拡大が前提条件と見られていた。それに答えたという面もあろうが、やはりスペイン、ポルトガルという先行きの案件になりそうなものがあることと、(思うに)フランスの選挙の前に合意しておきたかったのだろう。仮にサルコジ敗北となると、こうした話し合いもすんなり行くかどうかは未知数ゆえに・・・。
いずれにしても、この合意はユーロ高ドル安で30日は金も買い上がりやすかったということか。

金の世界では四半期末ということで、このところ2四半期連続で金ETFの持ち分を減らしたことで知られる大手ヘッジファンド「ポールソン&C」も話題だが、結果は来月中旬まで不明だがETF自体は減ってはいない。ポールソンが保有している最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」だが3月は7トンほど減ったが、1月、2月と増えたので結局1-3月期は32トンの増加となっている。さらには元々たいしたことのない水準ではあるが、NYコメックスの取り組みは、じわじわ減り続け40万飛び台に。調べてみたら2009年9月1日以来の低水準だった。とはいえ今年ここまでの最高水準が48万枚弱(1枚=100オンス)なので、65万枚もあったピーク時とは比べようもないが、それでも最近はプログラム売買(アルゴリズム取引)で集中的に注文が出てくるので短期で増減を繰り返すため値動きもバカにはできない。

早いもので4月。この週末から春の嵐が吹き荒れているが、今週の市場は穏やか・・・だろう。


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