ユーロ、ポンドの急落（ＤＸＹ上昇）でロボットの金売り

ユーロとポンドの急落で押し上げられたドル指数（ＤＸＹ）によるアルゴリズムのファンド売りにＮＹ金は再び１９００割れに急落となった。１３日に発表されたドイツ、１０月のＺＥＷ景気期待指数は５６．１となった。９月に７７．４と１９９９年以来ほぼ２０年ぶりの高水準を記録していたので、急激に悪化したことになる。新型コロナ禍で指標の出方もイレギュラーなものになっていることを思わせる。新型コロナ禍の下、マインド系の指標は振れが大きくなることを念頭にということか。ならばＩＳＭ製造業など高目に出ているが当てにならん・・・ということにも。

欧州では新型コロナが再び拡大し、１次ピークの４月の水準を上回る国、地域が増え景気見通しも急速に悪化している。英国と欧州連合（ＥＵ）の通商交渉はジョンソン英首相が今週１５日とした期限が迫るが、こちらも合意に向けた歩み寄りは見られていない。ポンドも売られやすい。

予想通り米追加経済対策を巡る動きは停滞が続いている。トランプ政権が新たに１．８兆ドル規模に増額した対応策を提示、片や民主党は２．２兆ドルの対応策を譲らず、地方政府への支援を巡り押し問答を繰り返す中で、共和党の上院指導部は（わずか）５憶ドルの支援策の採択を目指す意向を示すという、なんともちぐはぐな展開に、市場の失望感が高まることになった。・・・というか、本当に合意を期待しているのかね・・という感じだ。言うまでもなくホワイトハウス（トランプ政権）と上院共和党間の温度差も大きい。選挙前に個人給付金の決定など大衆受けのする策を打ち出したいトランプ大統領としては、身内の反応に不満がたまっているようだ。ツィートに不満をぶつけている。結局、ペロシ下院議長はホワイトハウスの１．８兆ドルを受け入れない方針を表明。

ワクチンや治療薬を巡る話も治験対象が広がるにつれて、いろいろ問題が浮上しているようだ。治験者に原因不明の症状が出たことで、ジョンソン・エンド・ジョンソン（Ｊ＆Ｊ）がコロナワクチン臨床試験の一時中断を発表。とはいえ、こうした流れが一般的とされ、だからこそ開発に時間が掛かるわけで、それを早くやれと求められている。治療薬の方ではイーライリリーの抗体治療薬の臨床試験で被験者の登録停止というのがあった。そもそも製造工場の品質管理に重大な欠陥があることが米食品医薬品局（ＦＤＡ）の査察で判明というもので、ストップをかけられたというもののよう。選挙前にワクチン完成という、現職大統領の希望はここでもまた叶えられそうにない。それよりも、来年の春くらいまでにはメドが立つとの見込みで、回復予想が立てられているものも多いと思われ、仮に後ずれということになると財政とＦＲＢの負担も増すことになる。そうした状況になっても、ドルが買われ・・・ということになるのか疑問だ。