亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

壮大なる金市場版グレート・ローテーション(Great Rotation) 

2020年08月05日 21時10分04秒 | 金市場
NY金の破竹の上昇が続いている。本日のアジアの寄り付きは2037.00ドルと4日の通常取引終了後の時間外の終了値近辺から始まった。その後、間もなく2048ドル台まで上値を見たあとに、当然のごとく出される利益確定とみられる売りに押し戻されるもプラス圏を維持。結局、売りが一巡すると上値追いに転じるというパターンに戻り、アジア終盤からロンドンの時間帯を通し水準を切り上げ、アジア時間の高値を更新。節目の2050ドルもなんら抵抗もなく突破し、日本時間の5日20時30分までで高値は2060.20ドルまで見ている。円貨ベースも言うまでもなく過去最高値の更新を続け、大阪取引所の先物価格は6955円まで買われ7000円突破が迫っている。展開としては、「もうはまだなり」となっている。

一昨日書いたが、先週後半から週明けここまでの状況からはさすがにロングが増えていると思われるが、前週はネットで92トンも減るという意外な展開となっていた。益出ししながら新規買いも入れる、いわゆる回転が利いているだけに、相場が軽くなっている。さらに2000ドル台に乗せてなお、金ETFの残高が連日増えている。新著に触れているのだが、今回の上昇相場は複数年で2300~2500ドルの上値を見込んでいるのだが、当然ながら押し目はある。

足元の値動きは、当方の独自解釈による金市場版のグレート・ローテーションというべき現象が、想定より早く進行しているのかもしれない。思うのはここまでの金融市場の肥大化の中で、それに見合った水準訂正をしていなかった金市場だが、それが起きているということ。ポイントはそうしたマクロの通奏低音の動きの中で、目先の材料が加わり短期的な上下動を起こす。それは時に振幅を大きくするため、取引の現場では余裕を持っていないと“振い落とし”的な動きに翻弄されることになる。足元でその目先の材料とは、最終的に雇用統計の発表が控えるイベント週の今週だが、何度も書くように米国議会での新型コロナ追加支援法案の成立の有無と、成立した際の内容となっている。

こう着状態の中で4日は、トランプ大統領が、大統領権限の行使で成立を目論んでいるとの報道もあるが、大統領本人に確たる方針があるようにも見られず(大統領権限を行使する文書に)「署名するかもしれないし、しないかもしれない(ロイター)」などと宣い、いつもの体たらくでさすがに皆無視。NY金の恐怖の日足チャートを見れば、誰しも警戒するが、結局押し目待ちに押し目なし。痺れを切らして飛び乗ったところで、ピークアウト。

過去のセミナーで何度も語ったように、振り子は振り切れるところまで行かないと戻ってこない。

今夜のADPはどうなるか。。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (fairlane)
2020-08-05 23:39:16
2005年晩夏までずっと400ドル台で揉んでた相場が、あっという間に駆け上がり、500ドル台 600ドル台はほぼ無抵抗に駆け上がり、リーマンショック直前の1000ドル到達の過程を思い出します  その間3年上げ続けでしたよね リーマンのときはドルを取るために売られて暴落したのはもちろんですが、それでも600ドル台は短い期間だったはず 今回まだまだ振り子に慣性の法則が働き続けているようにも思えますね あと3年でワクチンができるだろうか。。。
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すごいね! (損切投資家)
2020-08-05 22:10:32
先生の新著買わしていただきました。ブログは欠かさず読ませていただいていますが、最近の金価格の上昇はすごいですね!ドルベースのみならず、円建ての金価格もあっさり最高値を更新してしましました。
このまま行ったらグラム 10,000円なんてのも、夢じゃないかも知れませんね。また日本でももし、このデフレがインフレに転換していったら円建ての金価格なんて一体いくらになるのでしょうか?
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