ヨハネによる福音書19,14~15。 ピラトがユダヤ人たちに、「見よ、あなたたちの王だ」と言うと、彼らは叫んだ。「殺せ、殺せ。十字架につけろ。」
英文は Pilate said to the people,"Here is your king !" They shouted back,"Kill him ! Kill him ! Crucify him !"
読者のユダヤ人に対する憎悪が最高潮に達する場面だが、英語版は「ユダヤ人」ではなく、「the people」となっている。同じ箇所は、マタイ伝とルカ伝では「人々」、マルコ伝では「群衆」となっている。「ユダヤ人」という表現は、日本語版(底本はドイツ語版)のヨハネ伝にしか出てこないのにゃ。ドイツ語版ヨハネ伝がそもそも反ユダヤ的なのか、それとも、日本語に訳した人物に問題があるのか。まあ、ドイツ語版の聖書をチェックすればわかるのだろうが。