Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

「いい子にしてたら贈ってあげる」

2007年06月04日 | 東京
 金曜日の音工場での練習の帰り、北糀谷のバス停のすぐ横にある酒屋のショーウィンドーにユニークな張り紙を見つけた。「いい子にしてたら贈ってあげる。」と書かれて、ウサギのキャラクターがいい気分でビールらしきものを飲みながら寝そべっている。
 「いい子に・・・」は、酔っ払いのオヤジが子どもに発している言動なのだろうか?その背景には、「お酒はいいよ、お父さんはこんな気前がよくなるんだ。だから子どもはいい子にしていれば、きっと欲しいものがもらえるんだよ。」というお酒の販売促進の宣伝効果のメッセージが隠されているのかもしれない。お父さんだけに限らない。20歳を過ぎていれば誰だっていい。この張り紙は、この絵を見るであろう子どもたちに対して、「お酒の効能」を極めて端的に1枚の絵と短いフレーズによって暗示しているのである。
  それなら、「いい子」ってどんな子なんだろう?アルコール飲料が摂取できる年齢の大人が「いい子」と認めるのはどんな子なのかしら?そして、子どもはその「いい子」がどんな子どもか知っているわけ?学校の勉強ができて、塾でもいい成績をとって、スポーツもできて、誰のいうことも聞くし、夜も早く寝て、友達なんて一度もいじめたりしない子・・・。そんな子なのかな。でもそれが本当にいい子?そんなことをバスの中でぼんやり考えているうちに、この張り紙のメッセージは、子どもに向けたものではなくて、アルコールを飲む我々に対する痛切なメッセージなのかもしれないと突然ひらめいたのである。
 「あなたたち、酔っ払っていつも、いい子にしてたら・・・なんて言っていませんか?お酒を飲む前に考えてください。いい子ってなんですか?そんなに簡単に大人がいい子って言葉を使っていいのですか?「あの時はお酒を飲んでから・・・」、なんて言い訳は何度も通用しないのですよ。子どもはあなたの言葉をきいて、意味不明の「いい子」になろうとしているのかもしれないのです。」