Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

雨はどこへいった?――三軒茶屋で――

2007年06月24日 | 東京
 不覚にも大好きな天気予報を東京に来る前に見てこなかった。東京は梅雨空が続くと思いきや完璧な晴天である。なんだか那覇といっしょに東京までもが梅雨明けのようだ。家を出て空を見ると、あまりに空の青さと、太陽に照らされて輝く玉川上水の木々の色が美しいので、デジカメで撮影してみた。同じ青空でも沖縄の青空とは何かが違う。そして本土の広葉樹の緑も、その色を反射して屈折した太陽光も沖縄にはない・・・。
 三軒茶屋での打ち合わせに向かう途中、吉祥寺の中古サッカーユニフォームのお店でセルティックの2003-2004のユニフォームを購入、カレーを食べて、渋谷を少し散策。ハンガリー音楽史の古書を一冊買って、三軒茶屋へ。なぜか天気のよい日は財布の紐が緩んでしまう。ただし買ったものはすべてセカンド・ハンド。
 三軒茶屋は高校の頃、1年ばかりお稽古ごとに通ったことがある。渋谷から4,5分で着いてしまうわりには下町っぽいというか、やたらと暗い路地が多いというか、ともかく渋谷とは対象的な雰囲気をもったお気に入りの街だった。特に好きだったのは、世田谷線の駅周辺のゴタゴタした雰囲気だった。どこにあったか記憶はないが、世田谷線の駅のすぐ脇にあった古本屋でバウム『バリ島物語』(昭和17年)を購入した記憶がある。キャロットタワーができて、三軒茶屋もすっかり変わった気がする。
 世田谷通りを歩いていくと、まだ246の方向に向かう細い路地は健在だった。20年以上たってもそのままのたたずまいのお店がいくつもある。すれ違う二人ずれの年配の男性が「路地は変わんねぇなあ・・・」と呟いている。路地の一角にはトタン板で囲まれたような感動的な風呂屋の入り口がある。なんだか心が躍ってしてしまう。だから、そんな気持ちのまま三軒茶屋の街がゆっくり見たくて、大きな窓のある喫茶店に入る。R&Bが静かに流れる店内から、大きな青空と音のない街が見える。携帯電話の宣伝用の旗が風になびいている。照りつける太陽、小走りに歩く人々・・・。いったい梅雨はどこへいったのだろう?