Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

クーラーが壊れる

2007年06月19日 | 大学
 今日はガムラン&ケチャ講座の2回目である。梅雨にも関わらず、大半が社会人の受講生は真面目に大学のスタジオに通ってくれる。全5回の講座だが、ガムランとケチャの混ざった曲を作って、最後の日にこの曲の完成披露を考えている。
 さて講座が始まる前、スタジオの中にプラスチックが焼けるような匂いが漂う。あれ?と思っているうちにクーラーが止まってしまう。と、冷静に書いてはみたが、梅雨の沖縄で、20人近くが入るスタジオのクーラーが止まるということはただごとではないのだ。部屋の気温は徐々に上昇する。講座が始まると、ますます室内が暑くなる。防音されたスタジオには窓がない。徐々に息苦しくなる。
 後半のケチャが始まってから、人一倍大きな声を出して指導する。そのせいで、なんだか朦朧としてきたとき、この状況をバリで経験したことを思い出した。暑い中、1時間も詩の朗唱をさせられたとき、こんな不思議な感覚に陥った。そう思ったとたん、この状況が単なる苦痛には思えなくなってきた。それどころか、肉体的な不快を体験する中で、チャッ、チャッという声がシャワーのように降り注ぐと、精神的には至福が味わえるのだ。これはかなり危険な領域に到達しているぞ。なんとかしないとマズイことになってしまう。時計を見ると9時数分前だ。
「ちょうど、9時だから今日はこれで終わりにしましょう。」
 私は極めて冷静を装いながら、ちょっぴり嘘をついて自分を現実世界に引き戻す。危ない、危ない・・・。