Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

にわか鉄ちゃんになる

2007年06月15日 | 
 今日から金沢である。小松空港から金沢に行く場合、たいていは金沢方面行きの空港バスに乗る。しかし去年、福井の大学へ講義に行ったときに乗った北陸本線の雰囲気が気に入って、鉄道で金沢に行くことにしてJR小松駅に向かう。
 小松駅で階段を走って、停車中の七尾行きの電車の写真を撮影。ホームにいる女子高生が私を横目に笑っている。「あのオジサン、いい年して鉄ちゃんよ。オタクっぽいわねえ」なんて言われている気がして嬉しい。鉄ちゃんの何が悪いのさ!
 子どもの頃は、多くの子どもがそうであるように、私も「子ども鉄ちゃん(コテッチャン)」であった。父が連れていってくれた三鷹電車区の車庫は感動的だった。今でもあの光景を思い出して、絵に書くこともできる。今はない交通博物館にも父と何度も出かけた。入り口を通るたびに心が躍った。誰もが同じ道を歩むように、いつのまにか電車はただの乗り物になってしまった。だから筋金入りの「鉄ちゃん」にはなれなかった・・・。
 北陸本線に乗りながら、石川県出身の有名人とは誰ぞや、と考える。全く思い浮かばない。不勉強である。それでも考え続ける。やはり出てこない。石川・・・石川五右衛門。そんなはずはない。と、隣のオジサンが地元紙の夕刊を広げる。一面の見出しがチラリと見える。
「6月反攻 松井3安打、3打点、3割到達」
 そうだ!松井秀喜である。さすが北國新聞。松井ネタが夕刊の一面トップである。これはスポーツ紙ではないのだ。
 今日だけ「にわか鉄ちゃん」になってよかった。バスではこんな発見はない。そんなことを考えてうちに金沢駅が近づく。誰よりも早くドアのそばに立つ。そしてホームに停車したと同時に、「開」のボタンを押す。「OPENEN」のボタンを押すのが楽しみだったオランダのようだ。本日は「にわか鉄ちゃん」全開である。