Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

「えー、どうすればいいのよ!」

2007年12月01日 | 家・わたくしごと
 先週の日曜日、かみさんと子どもが一泊旅行に行くというので、家にいる時の格好のまま、二人のカバンを車に運ぶのを手伝った。その私の格好というのが、紺のスウェットとサッカーのユニフォームパンツ(要するに半ズボン)、素足に紺のサンダルというまさに上下アンバランスな異様な「いでたち」。しかもこの日は風が強く、寒い日だったにもかかわらず、どうせ荷物を運ぶぐらいだからと、一旦は躊躇したものの、そのままの格好で手伝いをしたのである。しかしその格好がとんでもない「アダ」になってしまったのだ。
 二人を見送って、さあ、家で今月末締切りの原稿を書くぞ、と意気込んで階段を上って家に入ろうとしたその時、玄関に鍵がかかっていることに気づいたのである。当たり前だが、ドアノブをひねっても引っ張っても扉は開かない。私の後に家を出たかみさんが(たぶん)無意識に鍵を閉めてしまったのだ。
「えー、どうすればいいのよ!」
 携帯も部屋の中である。とりあえず、冷静になって、まずは大家を訪ねることにする。しかし、大家の住む家に行くためには、公道を歩かなくてはならないのだが、私の格好はともかく異様であり、こんな寒い日に半ズボンとサンダルで歩いていれば、異常者に見えるかもしれない。だからといってこのまま、呆然と家の前にいたところで、かみさんは明日の午後まで戻らない。もう恥も外部もないのだ。ワーっと全速力でマンションの敷地から公道を走って、大家の家の呼び鈴を鳴らした。ところが、誰も出ないのである。
「えー、どうすればいいのよ!」
 再びに冷静になって考え、マンションまで走って戻り、顔見知りの隣人の呼び鈴を鳴らすが、出てこない。一軒目不在、二軒目不在、三軒目がいなければ万事休すである。しかし、神仏は私を見捨てたりなんかするはずがない。三軒目は在宅しており、とにかく携帯を借りてかみさんの携帯に電話をする。しかし20回鳴らしても出ないのだ。
「えー、どうすればいいのよ!」
 とにかく三軒目の隣人に、「うちのかみさんに電話何度かして下さい」と頼んで自分の家の空かない玄関にたたずむ。ところが・・・お手洗いに行きたくなったのだ。そういうときに限って「もよおす」のである。
「えー、どうすればいいのよ!」
 またまた冷静になって考える。そうだ、家から歩いて1分の所に位置するAコープに行けばいいんだ!しかし、この格好でスーパーに行くとなると、近所のおばさん、あるいは学生に発見されるかもしれないぞ。でも、もうだめだ、我慢できない・・・。再び全速力で、Aコープに駆け込む。トイレの横のクリーニング屋のおばさんの目つきが妙に気なる。このままトイレに10分もいたら、「変質者がトイレにいる」と警察に通報されそうな雰囲気だ。職務質問なんてまっぴら御免である。
 さて1時間半後、かみさんとなんとか連絡もつき、大家さんも帰ってきて、私の家の鍵は開き、ことなきをえたのだった。今回のことで学んだ教訓、「外に出るときは、いかに短時間でも良識ある齢相応の格好をすべし」、要は「家の扉の鍵をオートロックと思え!」ということなのだろうか。やれやれ・・・。