Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

小麦色のキューピー

2007年12月11日 | 那覇、沖縄
 沖縄のおみやげの中で最近目立つものが、既製のキャラクター、たとえば、キティーちゃん、ドラえもん、キューピーなどといった全国版キャラクターに琉装をさせた「沖縄限定」ものである。こうした土産物は沖縄だけの現象でなく、全国でも展開されるまさに「おみやげ文化」といわれるものである。昨日、私は授業の一環で、観光客になりきったつもりで、学生達と国際通りの「観光文化」、「文化観光」の調査のために国際通りを歩いたのだが、そのときに新たなキューピーを発見したのである。
 なんとそのキューピーは小麦色なのだ。というよりもいわゆる「黒い」に近い。しかも琉装というよりもポップな「アフリカン・カジュアル」のように見える。エイサーのユニフォームをイメージしているのだろうが、どうみてもそうは見えないのである。
 さて観光客はこれにどのようなイメージを持つのだろうか?観光客の目線で考えてみる。「沖縄は暑い、だから人々の肌の色も黒い、そして着ている服は派手なのだ」という具合に連想していくのだろうか?それならば白いキューピーよりも、黒い方が沖縄向きだというのだろう。
 一方、沖縄側の視点に立ってみれば、女性の多くは日焼けに本土の女性以上に気を使うし、職業上は日焼けして浅黒い人もいるだろうが、東京や大阪と比べたところで、それほど肌の色に差はない。だいたいにして、真っ黒になって帰るのは、観光客の方である。夏の夕方、那覇空港の出発ロビーを覗いてみれば、そんなことは一目瞭然である。
 キューピーを小麦色にして琉装をさせるという発想、これは沖縄側が考えたものなのか、それとも本土側が考えたものなのか私にはわからないが、私はこのイメージにはどちらかといえば抵抗がある。これはある種の「差別」ではないか?だいたい、そういう面倒な議論は別にしても、キューピーは「マヨネーズ」の色じゃないと納得できない。といいながらも、「資料」として(?)、この黒い人形を購入してしまったのであった。