トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

エゴツルクビオトシブミ

2021-08-16 | 虫類


エゴノキに居て、ツルのように長い首のオトシブミの仲間
姿が変わっていて面白い虫だ、首が体の半分近くを占めている
大きさ7mmほど

冬は成虫で杉の樹皮の下で集団で過ごし、5~8月にかけて見られる
オスの首は長いがメスはそれほど長くはない
5~6月頃メスは葉を丸めて揺籃を作り中に卵を産む
幼虫は6月に見られウジ虫型で、巻かれた葉を食べて育つ

オトシブミ:その昔政治などを批判した巻紙をわざと落としておくと言う文化があった  「落とし文」と言い平安の貴族の間では恋の相手に拾わせる恋文なども流行った 揺籃はその落とし文にそっくりなことから作った虫をオトシブミと名付けた


ショウジョウトンボ

2021-08-15 | 虫類


真っ赤赤なトンボ、ショウジョウトンボ
翅の付け根が褐色で、腹部は平べったい
大きさは45mmほど
オスは成熟すると目や顔、脚まで全身鮮やかな赤色に変わる
メスは地味な色彩

成虫は5月から10月頃まで見られる
池沼や水田、都市公園の人工池にも生息している

夜中に羽化して、林縁や草地で過ごした後、成熟すると水辺に戻って来る
交尾は飛びながら短く行われ、その後メスは打水産卵を繰り返す

タマムシ

2021-08-14 | 虫類


翅の美しさで人気抜群のタマムシ
体表は全て金属光沢を持ち、1対の赤いラインがある、玉のような美しさを持つ虫の意味
この前翅の色は鳥に対する警戒色で、キラキラと光ることで鳥を怯えさせる効果がある

ウジ虫型の幼虫で越冬して、蛹を経て、成虫は6~8月に見られる
幼虫は朽ち木などを食べて育つ
成虫はエノキやケヤキ サクラ類などの葉を食べる
夏の陽を浴びてきらきら光って、高い梢をとびまわる
大きさは35mmほど

有名なのは、奈良法隆寺の厨子(仏像などを収める屋根付きの入れ物)で、装飾にタマムシの前翅が張られているので、玉虫厨子として知られている
これに貼られたタマムシの前翅の数は、9083枚と言う
年月が経ち翅が痛んで輝きが無くなったので、1960年に模造されたがその時は5348匹のタマムシを使い美しく蘇った

チョウトンボ

2021-08-13 | 虫類


チョウのようにヒラヒラとぶのでチョウトンボと言う
金属光沢があり、後ろ羽が大きい特徴的な体をしている

平地から丘陵地の艇水植物の茂る池沼などに生息している
体の割に翅が大きくふわふわと飛ぶ
成虫は6~9月にかけて見られる

ヤゴから夜間に羽化して水域の近くの林間に集まり、樹冠上や小空間を移動したりする
成熟すると水辺に戻り、パトロール飛行を繰り返す
交尾は飛びながら短く、その後メスは単独で打水産卵する
大きさは35mmほど

ミユビシギ

2021-08-12 | 野鳥


ミユビシギはその名の通り、指が3本しかないシギ
波打ち際を波と戯れているように採餌する姿が可愛いと人気もある

旅鳥または冬鳥
海岸の砂浜 干潟 河口などに居る
渡りの時期には大きな群れになって行動する
主な採食場は砂浜の波打ち際で、走り回って貝類や甲殻類を捕る
波が寄せてくると陸側に走り、引くと波に合わせて海側に走って採食する

雌雄同色
ほとんどの個体は第一趾(後指)が無い、稀にあっても痕跡状
夏羽では腹以外は赤褐色
冬羽では全体が灰白色でシギ類中で最も白っぽい、出会ったのは換羽中か若鳥の様だ
大きさは19cmと小型の鴫

メダイチドリ

2021-08-11 | 野鳥


目の大きなチドリ類の中でも特に目が大きく見える
胸の色模様がとてもお洒落に見える

旅鳥
数は少なくないが、見られる時期は8~9月と短い
海岸の砂浜や干潟に多いが、河川や水田、湿地にも入る
潮の干満に左右されて行動し、ゴカイ類を主に、他に貝類や甲殻類 昆虫類も食べる
ゴカイの体を切らずに上手に引っ張り出す

夏羽のオスは額が白く中央に黒線がある 頸側から胸は赤褐色で腹は白い
メスはオスよりも淡色
冬羽では夏羽の黒色と赤褐色部分は淡褐色になる
大きさは19cm

オオソリハシシギ

2021-08-10 | 野鳥


大きなシギが水辺を歩いていた
オオソリハシシギは嘴が上に反った大型のシギ
嘴が上に反っていると何やら威勢の良い感じがする

旅鳥
8月から10月初めころまで見られる
夏は北極圏で繁殖して冬はオーストラリアやニュージーランドに渡る
渡る先は南半球なのでこれから夏になる 夏の場所から遠く渡りをして南半球の夏の場所に渡っているが オオソリハシシギは南半球で繁殖して北極圏の夏で休む・・と言うことはしないのかしら・・

主に干潟や入り江、河口に居る
ゴカイ類を特に好み、嘴を穴に差し込んで取る その他甲殻類や貝類、昆虫類なども食べ、捕ったエサを洗うことをする
嘴は柔軟性があり、曲がることで折れるのを防ぎ、元に戻り、更に触感に優れている

嘴は長くやや上に反っている 脚は体の割に短く、黒い
オスは額から頭頂、後頭は黒褐色で赤褐色の羽縁がある
メスはオスより全体に淡色で大きい
大きさ40cm

オバシギ

2021-08-09 | 野鳥


見られないことはないが、それほど数は多くないシギ
オバシギ(尾羽鴫)の語源は、尾羽が目立つ鴫、と言う説が有力
なのだが、実際見て特に目立っては見えない

旅鳥 秋の渡りでは、8月から10月上旬まで見られる
干潟 河口 海岸の砂浜などに居る 内陸の湿地にはあまり入らない
潮の引いた水際などで、嘴を根元まで泥の中に差し込んでゴカイ類や貝類、甲殻類などを食べる
砂質より泥質の干潟を好み、シギ同士棲み分けしている

雌雄同色
顔から頸、胸にかけて白く、黒褐色の縦斑が密にある
体の上面は灰褐色から黒褐色
この時期赤褐色で先端が黒い肩羽が見られる
大きさ27cmで脚が短く、全体ずんぐりとして見える

シロチドリ

2021-08-08 | 野鳥


小さく白っぽい千鳥
異古名「むなしろちどり」

留鳥又は漂鳥
中部地方以北では夏鳥、関東以西では越冬するものが多い
河川下流から海岸の砂浜 干潟などに居る
忙しそうに歩き回り、甲殻類 ゴカイ類 貝類などを食べる
砂丘や川原などの浅い窪みに、貝殻や木片などを敷いて簡単な巣を作る

雌雄ほぼ同色
額と眉斑は白色で、過眼線が黒く明瞭
頭頂は橙褐色、上面は一様に淡褐色
大きさ17cm

河かぜに千鳥ふかれてはたはたと 打つや蘇小が湯殿の障子(与謝野晶子)

アオアシシギ

2021-08-07 | 野鳥


今日は24節季の立秋 今日から秋!
暑さ真っただ中ではあるが、秋と聞くと少しホッとする
暦に合わせてか シギやチドリがバチボチと渡ってきている

シギ類は識別がまず問題になるので、青脚 赤脚 黄脚と足の色をそのまま名にしたシギが居るが、名は体を表すという意味では機能している
アオアシシギの脚は緑青色

旅鳥 沖縄では越冬するものもいる
秋の渡りでは8月初めから10月頃まで見られる
干潟 河川 湖沼 水田などに居る
浅い水辺を歩いたりして、昆虫類 甲殻類 時には水中に嘴を入れたまま走り小魚を捕る

雌雄同色
背から腰は白色 上面は淡灰褐色で、黒褐色の軸斑と白い羽縁があり、肩羽に黒い羽が混じっている
嘴は細長くやや上に反っている
大きさ32cm


ヤブミョウガ

2021-08-06 | 樹木 草花


庭にヤブミョウガがわんさか出てきて花盛り
藪に生えていて、葉がミョウガに似ているのでヤブミョウガと言う

ツユクサ科の山野の林内に生える多年草
茎や葉はざらつき、茎は高いもので1m程になる
葉は30cmほどの長狭楕円形で、基部は鞘状になって茎を抱く

花は8~9月に咲く
茎の先に白い花が輪生状に5~6層付き、両性花と雄花が混じって咲く
両性花では花柱が雄しべより長い
花弁3個と萼片3個は白色で形も大きさも同じだが、花弁は1日でしぼんでしまう
果実は5mmの球茎の液果 藍紫色に熟す

6月頃、開く前の若葉を摘み取って、生でみそ炒めや澄まし汁の実などに使うと美味しい

ヤブカンゾウ

2021-08-05 | 樹木 草花


ヤブカンゾウは藪に生えるカンゾウ(萱草)の意味
カンゾウは中国名萱草を音読みしたもの

ユリ科の道端や土手 林の縁などに多い多年草
有史以前に中国から帰化したと考えられている

根は所々紡錘状に膨らむ
葉は長さ50cmほどの広線形
花は7~8月に咲く
花茎は1m近くなり、先に8cmほどの橙赤色の花を数個つける
八重咲で、雄しべと雌しべが花弁状になっている 花筒は約2cm
八重はヤブカンゾウだけで、この仲間ヤブカンゾウやニッコウキスゲ その他などは一重咲き
結実はせず、根の分根によって増える
根はほぼ同じ太さの束状で、その先が紡垂状に膨れた玉が付いている
子宝に恵まれない婦人が、この玉の付いた根を腰のあたりに付けておくと、子を授かるという風習がある

6~7月頃、蕾を採り蒸してから日干しにしたもの煎じて飲むと解熱効果がある
秋には根を採り乾燥させたものを煎じて飲むと利尿によい

コケオトギリ

2021-08-04 | 樹木 草花


黄色の小さな花はコケオトギリでオトギリソウ(弟切草)の仲間
オトギリソウの名は、この草を鷹の傷を治す秘薬としていた鷹飼いが、その秘密を洩らした弟を切ったと言う伝説による
弟を切ったときの血が飛び散り、茎や葉 花の黒点となったと言う

オトギリソウ科の野原や休耕田などの少し湿ったところに生える多年草
この科の仲間は、茎や葉 花などに腺体があり、腺体は赤い色素を含んで黒く見えるので黒点又は黒線と呼ぶ
色素を含まない場合は明点又は明腺と呼ぶ

コケオトギリの茎は4稜形で、上部で分枝する
葉は1cmほどの広卵形で、透かして見ると、半透明の明点が散らばって見える 秋には紅葉する
花は7~9月に咲く
6mmほどの小さい黄色の花で、苞は葉とほぼ同型で、雄しべは5~10個ある・・オトギリソウの雄しべは多数ある


ヒメヒオウギズイセン

2021-08-03 | 樹木 草花


ヒメヒオウギズイセンは、フランスでヒオウギズイセンとヒメトウショウブとの交雑によって作られた園芸植物と言われる
明治初期に渡来して、暖地では野生化しているものも多い

アヤメ科の多年生草本
地下茎を横に伸ばして、その先に球茎を作り増えて行く

花は6~8月に咲く
夏、互生して束になった葉の間から、50~80cmになる花茎を伸ばし、上部で分枝して、朱赤色で基部近くは黄色の花を沢山付ける
花は3cmほどの大きさで、花被片は6個、外花被片 内花被片ともに同じ形

ガガブタ

2021-08-02 | 樹木 草花


水面に小さな可愛い花が散らばって咲いていた
ガガブタは光沢のある丸い葉をガガ(鏡)と蓋に見立てたと言われる
絶滅危惧種

リンドウ科の池や沼に生える多年生の水草
水底の泥中のひげ根から、細長い茎を伸ばす
水底から伸ばした葉柄に、円心形の7~20cmの葉をつけ水面に浮かべる

花は7~9月に咲く
葉腋から花柄を多数だし、中心が黄色の白い花を水面に開く
花冠は1.5cmほどで5深裂し、裂片の内側には白く長い毛が生えて縁は糸状に細かく裂ける