トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

チャノキ

2021-11-15 | 樹木 草花


ツバキに似ているチャノキの花が咲いた
名前は漢名の茶を音読みにしたもの

ツバキ科の常緑低木、幹は株立ち状で高さ2mほどになる
中国西南部、ベトナムからインド周辺が原産
日本には奈良時代に中国からはいり、初めは薬用として利用されたが、鎌倉時代に栄西が中国から種を持ち帰り、栽培と喫茶の習慣が広がった

葉は互生し、葉身は5~9cm程の楕円形
薄い革質で表面は光沢があり、先端は鈍く基部はクサビ形、縁には波状の細かい鋸歯がある
花は10~11月、枝先の葉腋に3cm程の白い花が下向きに咲く
花弁は5~7個、ほぼ円形で先が凹む
雄しべは10mmほどで多数あり、基部でわずかに合着する
雌しべは1個、花柱は上部で3裂する
果実は蒴果、2cm程のほぼ球形で、浅い溝が3個有り熟すと3裂する
中の種子は1.5cm程のほぼ球形で、各室にそれぞれ1~2個入っている

低木性で葉が小さいシネンシス系と、高木生で葉の大きいアッサムという2変種があり、シネンシスは緑茶用、アッサムは紅茶用に利用されている
色々な成分が含まれており、薬効もある
緑茶、陳皮、山椒を配合したものを煎じて飲むと風邪 頭痛に良く効き、緑茶の粉末と乾燥したショウガ粉末を等分に混ぜたものを白湯で飲むと下痢に効く

ミヤコドリ

2021-11-14 | 野鳥


万葉集の大伴家持の歌に出てくるのが都の川に居る鳥と言うことでミヤコドリと呼ばれる
船競う堀江の河の水際に 来いつつ鳴くは都鳥かも(万葉集 大伴家持)

冬鳥
昔はほとんど見られない鳥で、銚子で初めて出会った時は大興奮したものだが、最近は東京湾で良く見られる
嘴が特異で縦に扁平な形をしている
これで2枚貝の貝殻の隙間に差し込んでこじ開けたり、岩に張り付いた貝を剥がして食べる
カニやシャコ、ゴカイ類なども食べる

雌雄同色
頭部、頸、体の上面が黒色で、下面は白い
橙赤色で長い嘴と脚
特徴的な色で識別は容易
大きさ45cm



ハジロカイツブリ

2021-11-13 | 野鳥


ハジロカイツブリが群れで泳いでいた
飛ぶと見えるのだが、羽の一部が白いことから付けられた名前

冬鳥 北海道では旅鳥
10月にやって来て3月頃まで見られる
主に海岸、河口、湖沼、などに居る、河川などに居ることもある
何羽かで群れで生活するものが多い
群れが次々に潜水し、小魚の群れを追い回して捕らえる

雌雄同色
細く少し反った嘴淡褐色の顔から首と、目の下に及ぶ顔の黒褐色部
目が赤く特徴的
大きさは30cm、カイツブリより少し大きく首が長い


アオジ

2021-11-12 | 野鳥


公園に今シーズン1号のアオジが居た
青っぽい色の「しとと」つまり「あおじとと」が変化してアオジとなった
「しとと」はホオジロ類全般の奈良時代の古名
色は全く青くはないむしろ緑か黄緑に近い、鳥では緑色は「あお」といっている
「あお」色はルリと言っている

留鳥(漂鳥) 冬鳥として大陸から渡来もしている
本州中部以北で繁殖している
平地から山地の疎林や低木の植林地、林や草原にいる 冬には暖地に移動して市街地でも見られる
よく地上に出て跳ね歩き、昆虫類 クモ類 草の種子などを採食する

オスは緑灰色の頭部、目先から嘴基部の暗色 黄緑色の下面と脇から胸の灰黒色の縦斑
メスは全体にオスより淡色で目先の黒色はない
大きさは16cm

ハシビロガモ

2021-11-11 | 野鳥


カモが日に日に増えてきた
見慣れたはずのハシビロガモも懐かしい
独特の幅広の嘴をしているカモ 行動も特徴的なところがある

冬鳥 北海道では少数が繁殖している
湖沼 河川 湿地などに居る
渡来直後は沿岸海域に居る個体もあるが、その後淡水域に移動して海水域には戻らない
無数の薄板がある嘴で水面の有機物を濾しとって食べる
時には何羽もの群れで水面をぐるぐる回って渦を作り、渦の中心にプランクトンなどを集め独特の扁平な嘴を左右に振りながら、歯ブラシ状のものでろ過して食べる
異古名で「めぐりかも」「くるまがも」と言われた名が付いた

雌雄共に大きく平たい嘴を持つ
オスの目は黄色で雌は茶色をしている 大きさは50cm程
オスはエクリプス後に、頭や体の一部をさらに換羽して、秋のこの時期に繁殖羽になりかけのような姿になる特徴がある
この姿をサブエクリプスと呼んでいる
この後に繁殖羽に換羽するので、完全な繁殖羽になるのは遅くなり、真冬から早春になってしまう
メスは全体が茶褐色でマガモのメスに似ている

アカボシゴマダラ

2021-11-10 | 虫類


この時期虫たちは冬ごもりの準備で大わらわ
黄葉の始まったエノキの葉にアカボシゴマダラの幼虫
背中に4対の突起があるので分かり易い

本来はアカボシゴマダラは奄美大島周辺に生息しているチョウ
関東周辺で見られるのは、1998年藤沢市で見つかった、中国産の放蝶された個体が分布を広げたもので、外来種とされている

幼虫で越冬して、成虫は3月から10月にかけて見られる
森林 農地 公園などに居る
食草はエノキの葉で市街地の孤立木や幼木も利用することから、環境適応性が高いと考えられている

成虫は樹上や林縁を穏やかに飛翔し、葉上に良く止まっている
樹液や腐果でなどでよく吸汁し、路上でも給水を行う
春型では白化して赤味は見えずゴマダラチョウに似ている
夏型では後翅亜外縁にそって赤班がある
5cm程の中型のチョウ

成虫(左は春型5月、右は夏型9月のもの)
 

トホシテントウ幼虫

2021-11-09 | 虫類


とげとげが痛そうなトホシテントウの幼虫が、カラスウリの葉に居た
このとげとげでは鳥たちも食べるのを躊躇するだろう

幼虫のこの姿で落ち葉の下などで越冬して、4月頃の蛹を経て成虫は4月から10月まで見られる
幼虫は刺があるが、蛹にも刺がある
普通ナミテントウやナナホシテントウなどの多くは成虫で越冬するのに、ちょっと変わっている
ナミテントウなどは、アブラムシなど葉の害虫を食べるので益虫とされるが、トホシテントウは植食性で、幼虫成虫ともにカラスウリ類の葉を食べる

成虫は赤地に黒い斑紋が10個ある
体の表面に細かい毛がまばらに生えていて、時にくすんで見える
大きさは6~9mm

成虫(6月のもの)


オオミズアオ幼虫

2021-11-08 | 虫類


オオミズアオの幼虫がゴロンと腹を見せてひっくり返っていた
裏返しでも太く重量感があって貫禄十分
これから蛹になるところかもしれない

ヤママユガ科の蛾で、この科は日本で13種が知られている
この科は大型種が多く、ヨナクニサンのように世界最大と言われる蛾も含まれている
繭を作って蛹になり、ヤママユなどは繭から糸が取れ、蚕の家蚕に対して、野蚕と言われる

蛹で越冬して、成虫は4~8月にかけて見られる
幼虫は綺麗な黄緑色の体色で、各節の背面が瘤起している
横の茶色の斑が気門
大きさは70mmほどあった
食草はサクラ類、カエデ類 クリ ミズキなど多食性

成虫(去年8月のもの)


クサギカメムシ

2021-11-07 | 虫類


今日は24節季の立冬・・そろそろ冬の気配がする
今日から立春前日までが冬と言うこと

冬になろうというこの時期に、まだクサギカメムシが木柵の上をノコノコ歩いていた
朝晩はもう寒いだろうに・・越冬する場所探しでもしているのかも・・

成虫で越冬して4~10月頃まで見られる
山間部などでは成虫が越冬のため集団で家屋に入り込み悪臭を放ち、不快害虫として知られる
林、桑畑、果樹園などに生息している、市街地の公園などでもよく見かける
多食性でダイズ ササゲなどの豆類、ミカン カキ モモその他種々の果実の汁を吸うため害虫とされる

産卵は植物となる葉の裏に20~30個産み付けられる
幼虫は成虫に似た姿で、スギやヒノキの球果に良く集まる
成虫は暗褐色の地に不規則な黄褐色の斑紋がある
大きさや色彩にかなり変異がある
大きさは約16mm


オオトビサシガメ

2021-11-06 | 虫類

ノロノロとオオトビサシガメが居たので、掴んで敷台に乗せてパチリ
刺すサシガメで刺されると激しい痛みがあるそうだ・・知らなかったが刺されずに済んでよかった

山の樹上や樹皮下、樹洞などで成虫越冬をする
4月から11月まで見られる
小さな昆虫を捕えて体液を吸う

25mmほどの大型のサシガメで、全体が茶褐色
オスの腹部は通常前胸背より狭いが、メスでは広く横に張り出し前胸背よりはるかに広い

アオマツムシ

2021-11-05 | 虫類


リューリューリューと盛んにアオマツムシの声がしていた
中国大陸原産で江戸時代に日本へ渡ってきた帰化昆虫
繁殖力が強いのだろうが、今では夏から秋にかけてすっかり定着している

卵で越冬して、親に似た姿の幼虫時代を過ごし、成虫は8~11月にかけて見られる
街中の街路樹や公園樹に居る樹上性で時にうるさいほど良く鳴く
食べ物はサクラ、カキ、モモなどの葉
足に吸着盤ののようなものがあり、すべすべした木の上でも自由に歩き回る
産卵は植物となる木の小枝の先にする

背中が平らで分かり易い体型で、マツムシの仲間では珍しく緑色をしている
オスは背中に褐色の斑がある
大きさは20mmほど

カンレンボク

2021-11-04 | 樹木 草花


カンレンボクに実が鈴なりで陽を浴びていた

オオギリ科(ヌマミズキ科に含める見解もある)の落葉高木 20m程になる
中国中南部原産で、日本へは大正時代に渡来した
生命力の強い木でもあり、多くの実を付けるので子孫繁栄に例えられ、キジュ(喜樹)とも呼ばれる

葉は互生し、葉身は12~28cmの楕円状卵形又は長楕円形
先は尖り基部はクサビ形、縁は全縁でやや波打つ
花は7~8月に咲く
雌雄同株で枝先に小さな花が集まった5cm程の球形の花序を3~5個つける
頂生の花序には雌花、側生の花序には雄花が咲く

10~11月には実が生る
長さ2cmほどのバナナ型の果実が球状に集まり、黄色に熟す
中に2cmほどの種子が入っている

果実や根にカンプトテシンと言う抗がん作用のある物質が含まれている
副作用が強く使えなかったが、この構造を基にイリノテカンと言う抗がん剤が開発され、肺がん、大腸がん、婦人科がん、に使われている

タカアザミ

2021-11-03 | 樹木 草花


アザミは種類も多く似た花で識別が難しい花だ
タカアザミは頭花の柄が長く、上へ高く伸び上がっているのでこの名がある
北方系ノアザミで、アジア東北部に広く分布している

アザミはキク科植物で、タカアザミは川原や少し湿り気のある草地などに生える2年草
高さは1~2mにもなる
茎は角ばり太さは1cm以上ある
根生葉や下部の葉は花期には枯れて無くなる
茎葉は長さ15~25cmあり、羽状に深裂する
裂片は細くて5~6対あり、頂裂片は尾状に長く尖り、側裂片は間が広くあく

8~10月、頭花は紅紫色で3cm程の大きさで長い柄の先にぶら下がって下向きに咲く
花冠は長さ2cm、総苞は卵球形、総苞片は線形で8列に並び外片は反りかえる

アオミズ

2021-11-02 | 樹木 草花


全体みずみずしい感じのアオミズ、花が咲いていた

イラクサ科の山野の陰湿なところに生える1年草
高さは40cm程になり、全体が緑色でみずみずしい
葉は対生し、柄があり、菱状卵形で長さ4cm程、濃緑色で光沢がある
先は尖り、基部はクサビ形、粗い鋸歯があり3脈がある

花期は7~10月
葉腋に小さな雄花と雌花を混生する
花は緑色で雌花は赤味を帯びることが多い

全草にかぜの解熱、又利尿に効果がある
葉や茎を手で折れるところから採り、塩一つまみ入れた熱湯でさっと茹でる
おひたし、各種あえ物、また生のままサラダにしたり一夜漬けなどにして食べる
アクもなく、癖もなく美味!


クジャクシダ

2021-11-01 | 樹木 草花


クジャクシダは名の通り、オスの孔雀が尾羽を広げた時の形に葉を広げる
左が生えていた状態だが、右側のように逆さにするといかにもクジャク風

涼しい山勝ちの地域に生える
葉は柔らかい革質で、光沢はない
新芽の時にはときに薄紅色で、遠目では花が咲いているようにも見える
葉裏の裂片の上端に胞子嚢群(ソーラス)が付く
葉軸は次々に二股に分かれ、広がる

シダは胞子が湿った地面に落ちて、細胞分裂を繰り返してできる1cmほどのハート形の体になる
前葉体又は配偶体とも呼ばれ、ここで卵子や精子が作られ、受精し成長すると、やがて我々が目にするシダの形になる
常緑性のもの、夏緑性(冬に枯れる)、冬緑性(夏に枯れる)のものなどがある