休日のお昼時、久しぶりに伊達観光物産館へ行った。
駐車場は空きスペースが少なかった。
札幌や苫小牧それに旭川ナンバーの車まであり、
当地の特産品が人気なようで、嬉しくなった。
物産館では、10月になると、
伊達産ジャガイモ、玉ねぎ、カボチャの3点セットの
地方発送が始まる。
この日は、その申し込みが目的だった。
首都圏の友人と息子の計5軒へ発注した。
当地の秋の味覚だ。
「きっと美味しいに違いない!」。
喜んでもらえたらいいなぁと願った。
さて、1週間後にそれぞれから、
お礼のメールが届いた。
中には、肉じゃがの写真までそえて・・・。
「みんな、大歓迎!」
私たちも早々、ジャガイモを茹でた。
家内はバターをのせ、
私はと言えば、「そんな食べ方する人いないよ」と言われても、
砂糖で甘みを加え、朝食のテーブルへ・・・。
期待通り、「うまい!」。
黙々と食べる。
やっぱり、秋は食欲を誘う。
今秋の味覚から、3つ記す。
① 秋刀魚
2、3年前から、秋の鮮魚売り場に秋刀魚を見ることが少なかった。
あっても、庶民の味ではなく高値がついていた。
「こんな高いんじゃ・・!」
秋刀魚を手にしなかった。
ところが、今年は秋口から秋刀魚を鮮魚売り場で見た。
価格も、昨年までとは違った。
庶民の値だった。
どれも、小ぶりで細かったが、
はたして味はどうなのだろう。
姿かたちから、若干不安があった。
でも、大きそうなのを4匹袋につめた。
「まずは、煮て食べてみよう」。
私の提案に、家内も同意した。
1匹を2つに切って、
8切れの秋刀魚の煮付けが、夕食に並んだ。
実に久しぶり、秋の味だった。
秋刀魚の美味しさを思い出した。
「やっぱり、秋は秋刀魚だね」
そう言いながら、箸が進んだ。
そして、「今度は塩焼きに大根おろしをそえて」
と決めた。
しばらく日をおいて、秋刀魚の塩焼きが、
食卓にのった。
皿の横には、大根おろしも。
骨をとった秋刀魚の身にそれをのせて食べた。
これぞ、まさに秋刀魚だった。
もう少し大ぶりであってほしいが、
美味しさに大差はなかった。
懐かしさとともに、
「やはり秋刀魚は、塩焼きがいい!」
楽しみが増えた。
② りんご
秋は次々と美味しい果物が店先に登場する。
桃、ぶどう、梨、りんご、柿・・・。
すぐに手が伸びそうだが、
どうもりんごだけは、子供の頃からさほど好まなかった。
ただし、アップルパイは別だ。
どんな洋菓子よりも好きで、
当地のK菓子補のその美味しさは最高。
そのりんごについてだが、
今年の秋は、我が家の常温庫にいつも数個がある。
嬉しいことに、秋になると、
数日おきに玄関のチャイムがなった。
急いで玄関ドアを開けると、
レジ袋に入った野菜や果物を掲げ、
「少しだけど、食べて・・・!」
ご近所さんが笑顔で立っている。
どうしたことか、
今年はりんごを頂くことが多い。
「ちょっと、余市まで行ったので・・」
「親戚から頂いたリンゴだけど・・・」
「友だちと旅行で寄った道の駅で買ったから・・」
頂いた袋には、3,4個の真っ赤なりんごが入っている。
それを毎朝、食べやすく切って食卓の真ん中に置く。
2人分のデザートである。
私の先入観は、なかなかそれに手が伸びない。
ようやく一切れを食べると、
次に手が伸びないのがいつものこと・・。
ところが、その朝のりんごは違った。
しぶしぶ食べた筈なのに、自然と次の一切れに手が伸びた。
特別美味しいと感じた訳じゃなかったが、
もう一切れが欲しかった。
そんな欲求が、その次も続いた。
家内は黙って、りんごに手を伸ばす私を見ていた。
そして、皿に一切れも無くなってから、
「私の分まで全部食べて、どうしたの!?」
と、笑った。
確か、その日のリンゴは七飯町産のものと聞いた。
当地からは、やや遠いところである。
来年の秋、また機会があるといい。
「ええ!・・・」
お裾分けに期待するなんて・・。
「まったく!」と私に呆れた。
③ 新そば
市内には、美味しいおそば屋さんが何軒もある。
近隣市町村から、わざわざ出向いてくる人気店も・・。
ここ数年、私はいつも同じ店で食べている。
それも、『鴨せいろ』以外を注文することはない。
大好きな味である。
新そばの季節を迎えた。
その店のご主人は、全国的に有名なそば店で修行し、
当地で店を持った。
そばに、正面から向き合っているように思えた。
この時期になると、いち早く新そばにする。
混雑を避け11時の開店にあわせ、
店の駐車場に入った。
のれんが掛かっていない。
家内が、店に入り確認をした。
営業しているとのことだった。
珍しく、開店時にやや混乱しているようだった。
店は、4人掛けのテーブル席が4つと、
奥に10数人用の小上がり席1つあるだけ。
店に入ると、先客がその小上がり席にいた。
小さな子ども連れで、大きな声の中国語が飛び交っていた。
そこから一番遠い席に座ったが、
話し声から小上がりは満席のようだった。
こんな小さなおそば屋もインバウンドかと驚いた。
店員さんが、注文を受けにきた。
いつもと同じにした。
「団体さんが入ったので時間がかかります。
お許しください」
店員さんは、忙しく戻っていった。
その後、次々と席は埋まったが、
奥の小上がりからは、大声の中国語が続いていた。
でも、その席に注文したおそばが運ばれると、
店内は、いつもの落ち着きを取り戻した。
注文から30分が過ぎた頃、
私たちのそばが、やっと届いた。
新そばの香りがした。
しかも、いつもより太切りで、より美味しく感じられた。
店主のそばへの気遣いが伝わってきた。
私たちが食べ終わるころに、
小上がり席も再び賑やかになった。
観光立国に日本中が移行している。
さて、彼らはこの店のそばの美味しさが分かっただろうか。
新そばの味は、どうだったのだろう。
私には見当も付かない問答に、困り果てながら、
秋色に染まり始めた帰路を進んだ。
街路樹の柿 たわわに
駐車場は空きスペースが少なかった。
札幌や苫小牧それに旭川ナンバーの車まであり、
当地の特産品が人気なようで、嬉しくなった。
物産館では、10月になると、
伊達産ジャガイモ、玉ねぎ、カボチャの3点セットの
地方発送が始まる。
この日は、その申し込みが目的だった。
首都圏の友人と息子の計5軒へ発注した。
当地の秋の味覚だ。
「きっと美味しいに違いない!」。
喜んでもらえたらいいなぁと願った。
さて、1週間後にそれぞれから、
お礼のメールが届いた。
中には、肉じゃがの写真までそえて・・・。
「みんな、大歓迎!」
私たちも早々、ジャガイモを茹でた。
家内はバターをのせ、
私はと言えば、「そんな食べ方する人いないよ」と言われても、
砂糖で甘みを加え、朝食のテーブルへ・・・。
期待通り、「うまい!」。
黙々と食べる。
やっぱり、秋は食欲を誘う。
今秋の味覚から、3つ記す。
① 秋刀魚
2、3年前から、秋の鮮魚売り場に秋刀魚を見ることが少なかった。
あっても、庶民の味ではなく高値がついていた。
「こんな高いんじゃ・・!」
秋刀魚を手にしなかった。
ところが、今年は秋口から秋刀魚を鮮魚売り場で見た。
価格も、昨年までとは違った。
庶民の値だった。
どれも、小ぶりで細かったが、
はたして味はどうなのだろう。
姿かたちから、若干不安があった。
でも、大きそうなのを4匹袋につめた。
「まずは、煮て食べてみよう」。
私の提案に、家内も同意した。
1匹を2つに切って、
8切れの秋刀魚の煮付けが、夕食に並んだ。
実に久しぶり、秋の味だった。
秋刀魚の美味しさを思い出した。
「やっぱり、秋は秋刀魚だね」
そう言いながら、箸が進んだ。
そして、「今度は塩焼きに大根おろしをそえて」
と決めた。
しばらく日をおいて、秋刀魚の塩焼きが、
食卓にのった。
皿の横には、大根おろしも。
骨をとった秋刀魚の身にそれをのせて食べた。
これぞ、まさに秋刀魚だった。
もう少し大ぶりであってほしいが、
美味しさに大差はなかった。
懐かしさとともに、
「やはり秋刀魚は、塩焼きがいい!」
楽しみが増えた。
② りんご
秋は次々と美味しい果物が店先に登場する。
桃、ぶどう、梨、りんご、柿・・・。
すぐに手が伸びそうだが、
どうもりんごだけは、子供の頃からさほど好まなかった。
ただし、アップルパイは別だ。
どんな洋菓子よりも好きで、
当地のK菓子補のその美味しさは最高。
そのりんごについてだが、
今年の秋は、我が家の常温庫にいつも数個がある。
嬉しいことに、秋になると、
数日おきに玄関のチャイムがなった。
急いで玄関ドアを開けると、
レジ袋に入った野菜や果物を掲げ、
「少しだけど、食べて・・・!」
ご近所さんが笑顔で立っている。
どうしたことか、
今年はりんごを頂くことが多い。
「ちょっと、余市まで行ったので・・」
「親戚から頂いたリンゴだけど・・・」
「友だちと旅行で寄った道の駅で買ったから・・」
頂いた袋には、3,4個の真っ赤なりんごが入っている。
それを毎朝、食べやすく切って食卓の真ん中に置く。
2人分のデザートである。
私の先入観は、なかなかそれに手が伸びない。
ようやく一切れを食べると、
次に手が伸びないのがいつものこと・・。
ところが、その朝のりんごは違った。
しぶしぶ食べた筈なのに、自然と次の一切れに手が伸びた。
特別美味しいと感じた訳じゃなかったが、
もう一切れが欲しかった。
そんな欲求が、その次も続いた。
家内は黙って、りんごに手を伸ばす私を見ていた。
そして、皿に一切れも無くなってから、
「私の分まで全部食べて、どうしたの!?」
と、笑った。
確か、その日のリンゴは七飯町産のものと聞いた。
当地からは、やや遠いところである。
来年の秋、また機会があるといい。
「ええ!・・・」
お裾分けに期待するなんて・・。
「まったく!」と私に呆れた。
③ 新そば
市内には、美味しいおそば屋さんが何軒もある。
近隣市町村から、わざわざ出向いてくる人気店も・・。
ここ数年、私はいつも同じ店で食べている。
それも、『鴨せいろ』以外を注文することはない。
大好きな味である。
新そばの季節を迎えた。
その店のご主人は、全国的に有名なそば店で修行し、
当地で店を持った。
そばに、正面から向き合っているように思えた。
この時期になると、いち早く新そばにする。
混雑を避け11時の開店にあわせ、
店の駐車場に入った。
のれんが掛かっていない。
家内が、店に入り確認をした。
営業しているとのことだった。
珍しく、開店時にやや混乱しているようだった。
店は、4人掛けのテーブル席が4つと、
奥に10数人用の小上がり席1つあるだけ。
店に入ると、先客がその小上がり席にいた。
小さな子ども連れで、大きな声の中国語が飛び交っていた。
そこから一番遠い席に座ったが、
話し声から小上がりは満席のようだった。
こんな小さなおそば屋もインバウンドかと驚いた。
店員さんが、注文を受けにきた。
いつもと同じにした。
「団体さんが入ったので時間がかかります。
お許しください」
店員さんは、忙しく戻っていった。
その後、次々と席は埋まったが、
奥の小上がりからは、大声の中国語が続いていた。
でも、その席に注文したおそばが運ばれると、
店内は、いつもの落ち着きを取り戻した。
注文から30分が過ぎた頃、
私たちのそばが、やっと届いた。
新そばの香りがした。
しかも、いつもより太切りで、より美味しく感じられた。
店主のそばへの気遣いが伝わってきた。
私たちが食べ終わるころに、
小上がり席も再び賑やかになった。
観光立国に日本中が移行している。
さて、彼らはこの店のそばの美味しさが分かっただろうか。
新そばの味は、どうだったのだろう。
私には見当も付かない問答に、困り果てながら、
秋色に染まり始めた帰路を進んだ。
街路樹の柿 たわわに