昨年12月中旬の日記にこんな一文があった。
『今朝は一人で小一時間のジョギング。
若干雪解け気味の歩道を、
ザクザクという音と共に走り続ける。
時々東の空が、朝焼けで雲を赤くしていた。
うっすらと雪化粧をした有珠山が
朝日を浴び、神々しささえ感じた。
この美しい景色を見ながらのジョギングは、
伊達ならであろう。
私を朝のジョギングにかり立てる動機の一つが、
この景色にあるような気がしている。』
さて、10月になる。
きっと秋は駆け足で通り過ぎ、すぐに冬を迎える。
北国は、冬が長い。
当然、寒い朝になる。
それでも、きっと
昨年と同じように
この冬もジョギングを楽しむと思う。
それは、日記の通り、
冬の美しい景色が、私を誘ってくれるからである。
そして、実はもう一つ、
それはオオハクチョウである。
昨冬知ったのだが、
きっとシベリアから飛来するのだろう、
伊達の農地にオオハクチョウがやってくる。
家内が友人から教えてもらったと聞き、
早速、市内稀府に車をとばした。
風の強い日で、地吹雪が舞っていた。
風で雪が吹き飛ばされ、土色になった畑地を選んで
百羽ちかいオオハクチョウが、
元気よく『クワックワッ』と、鳴き合いながら、エサを探していた。
冷たい強風にさらされながら、
あんなに沢山のオオハクチョウの群れ。
私は初めてその姿を見た。
その健気さとたくましさ、
そして生きることの厳しさを目の当たりにし、
私は、しばらくその場を立ち去ることができなかった。
そして、自宅に帰ってからも言葉を失っていた。
それから数日後、
家内と一緒に、寒さに負けず朝のジョギングをしていると、
どこからか、『クワックワッ』と、
あの寒風の中で聞いたオオハクチョウの声が聞こえた。
まさかと思いつつ、上空を見上げると、
隣を走る家内も空を探していた。
見上げた斜め上の空、
手が届くところではないがすぐそばを、
6,7羽のオオハクチョウが列を作って、
稀府の方へ飛んで行くのだった。
オオハクチョウが飛んでいる。
一羽だけが『クワックワッ』と泣きながら飛んでいく。
「オオハクチョウが飛んでいる。初めて見た。初めてだ。」
と、声を張り上げ、私は走りながら興奮していた。
翌日から、自然と冬空を見上げながら走ることとなった。
何度も何度も、オオハクチョウが『クワックワッ』
と、鳴きながら飛ぶ群れを見た。
それも決まって、朝のジョギングの時、
丁度、7時前後、稀府方面に向かう姿だけでだった。
きっと、宿にしている場所から、エサ場に、毎朝向かうのだろう。
真冬のジョギングは、寒い。
それでもまた、『クワックワッ』と鳴きながら大空を行く
オオハクチョウ達に会えるのでは、
そう思うだけで私はワクワクしてしまうのだった。
冬の伊達だからの体験。
きっと寒さに負けそうになるだろうが、
それでも、
今年もオオハクチョウに会えるのではと、
冬の訪れを、少しだけ心待ちにしている。
実をつけたヤマボウシの街路樹
『今朝は一人で小一時間のジョギング。
若干雪解け気味の歩道を、
ザクザクという音と共に走り続ける。
時々東の空が、朝焼けで雲を赤くしていた。
うっすらと雪化粧をした有珠山が
朝日を浴び、神々しささえ感じた。
この美しい景色を見ながらのジョギングは、
伊達ならであろう。
私を朝のジョギングにかり立てる動機の一つが、
この景色にあるような気がしている。』
さて、10月になる。
きっと秋は駆け足で通り過ぎ、すぐに冬を迎える。
北国は、冬が長い。
当然、寒い朝になる。
それでも、きっと
昨年と同じように
この冬もジョギングを楽しむと思う。
それは、日記の通り、
冬の美しい景色が、私を誘ってくれるからである。
そして、実はもう一つ、
それはオオハクチョウである。
昨冬知ったのだが、
きっとシベリアから飛来するのだろう、
伊達の農地にオオハクチョウがやってくる。
家内が友人から教えてもらったと聞き、
早速、市内稀府に車をとばした。
風の強い日で、地吹雪が舞っていた。
風で雪が吹き飛ばされ、土色になった畑地を選んで
百羽ちかいオオハクチョウが、
元気よく『クワックワッ』と、鳴き合いながら、エサを探していた。
冷たい強風にさらされながら、
あんなに沢山のオオハクチョウの群れ。
私は初めてその姿を見た。
その健気さとたくましさ、
そして生きることの厳しさを目の当たりにし、
私は、しばらくその場を立ち去ることができなかった。
そして、自宅に帰ってからも言葉を失っていた。
それから数日後、
家内と一緒に、寒さに負けず朝のジョギングをしていると、
どこからか、『クワックワッ』と、
あの寒風の中で聞いたオオハクチョウの声が聞こえた。
まさかと思いつつ、上空を見上げると、
隣を走る家内も空を探していた。
見上げた斜め上の空、
手が届くところではないがすぐそばを、
6,7羽のオオハクチョウが列を作って、
稀府の方へ飛んで行くのだった。
オオハクチョウが飛んでいる。
一羽だけが『クワックワッ』と泣きながら飛んでいく。
「オオハクチョウが飛んでいる。初めて見た。初めてだ。」
と、声を張り上げ、私は走りながら興奮していた。
翌日から、自然と冬空を見上げながら走ることとなった。
何度も何度も、オオハクチョウが『クワックワッ』
と、鳴きながら飛ぶ群れを見た。
それも決まって、朝のジョギングの時、
丁度、7時前後、稀府方面に向かう姿だけでだった。
きっと、宿にしている場所から、エサ場に、毎朝向かうのだろう。
真冬のジョギングは、寒い。
それでもまた、『クワックワッ』と鳴きながら大空を行く
オオハクチョウ達に会えるのでは、
そう思うだけで私はワクワクしてしまうのだった。
冬の伊達だからの体験。
きっと寒さに負けそうになるだろうが、
それでも、
今年もオオハクチョウに会えるのではと、
冬の訪れを、少しだけ心待ちにしている。
実をつけたヤマボウシの街路樹