「だて歴史の杜公園」の正面に、
『道の駅・伊達市観光物産館』がある。
小耳にはさんだ情報では、
開設には、様々な意見があったようである。
しかし、「やってみなければ…」との思いで、
5年前、新築・営業を始めた。
これが、見事に大当たり!
2年前には店内の拡張までした。
今は、道内屈指の来場者数、売り上げ高を誇る道の駅になり、
胸を張っている。
その物産館のコーナーに、伊達オリジナルのチラシが、
数種類、置いてある。
その1つが、『伊達 ラーメン地図・マップ』である。
「伊達市民の魂飯・ソウルフード教えます」
と、チラシの片隅にある。
どうやら、市外からの来場者を対象にしたもののようだ。
どのような基準で、そのラーメン店が選ばれたのか、
私には分からない。
いずれにしても、市内の6つの専門店が紹介されている。
チラシには、その店の看板ラーメンや店の案内図と共に、
『こだわりの秘訣』と題するセールスポイントが記されている。
私は、その全ての店の暖簾をくぐっているが、
その『秘訣』には大いに納得している。
まずは、6店のそれを写す
A 宇宙軒 <みそチャーシューめん>
岩見沢に本店がある宇宙軒は伊達に来て20年、
多くのファンを生んできた。
10年前代替わりをしており、
受け継がれるこだわりのスープは、
日夜修業をしてやっと出せる味。
白みそベースで、とんこつの生骨からつくり出される。
また、麺にもこだわりがあり、
味を優先して西山製麺の若い麺を使用。
長年守り続けているこの一杯の味を少しでも変えると、
常連客に怒られるほど。
長年愛され続けている証拠でもあります。
B じぇんとる麺 <伊達スペシャルラーメン>
13年間地元に愛され続けるじゃんとる麺、
マスターも又、伊達を愛してやまない一人。
「伊達スペシャルラーメン」は、
スープと具材を伊達産の材料を使用した地産地消の一杯。
クリーミーでごまの風味のきいた濃厚スープは伊達牛乳を、
とろけるような肉とホルモンはオオヤミートブランドの黄金豚、
その他野菜類は伊達産と大滝産を使用している。
伊達産食材を贅沢に楽しみたい方に、オススメしたい一杯。
C 突撃ラーメン <みそラーメン>
突撃ラーメンは、創業33年間伊達市民の胃袋を満たしてきた。
昔ながらの懐かしい味が今も変わらず、常連客は勿論、
初めて食べる人も親しみのある一杯を楽しめる。
今は2代目店主が12年前から後を継いでおり、
市民の味を守り続けている。
麺にもこだわりがあり、なんと自社工場で独自に麺を作っている。
徹底した設備と職人の技で、これからも伊達の味を守り続ける。
D 味 楽 <醤油ラーメン>
味楽は創業40年以上経つ、錦町の老舗ラーメン店。
昼食はもちろん、飲んだ帰りに立ち寄るのもオススメの一軒。
味楽の代名詞とも言える濃い色のスープが特徴の醤油ラーメンは、
意外にも見た目に反してくどくなく、
唯一無二の味と定評がある。
E 元祖鶴つる亭 <ネギしおラーメン>
鶴つる亭は、こだわりの豚骨ベースのスープに定評がある。
出汁が十分に行き渡ったその味は、
一杯れんげで飲めば風味がたちまち口の中で広がり、
不思議と二杯 三杯…とやみつきになるほど。
ひき肉も入っており、これがまたスープとの相性が○。
チャーシューも厚くボリュームがあり、
サイドメニューのチャーシューおにぎりは、
ラーメンと肩をならべるほどの人気。
F 火 蔵 <ホルモンラーメン>
火蔵が10年間日々尽力するラーメン造りは、
スープは勿論、チャーシューやメンマも全て手作りで、
抜かり無しの丁寧さがモットー、
こだわりの下拵えで生み出される豚骨ベースのたれは、
くさみが少なく、最後の一滴まで飲み干したくなる一杯を生み出す。
また会計時に次回来店時に使用できるトッピング無料券が付くので、
リピーターの多さもうなずける。
6店が、この街で長く店を構えているその訳が、
この『こだわりの秘訣』からも垣間見ることができる気がする。
どの店も、ご夫妻が主となった家族経営の小さな店構えである。
1度だけでなく2度3度と足を運びたくなる。
実際に、私はそうしている。
伊達には、他にも自慢のラーメン店は、いくつもある。
国道沿いだけでも、
『味の時計台』『山岡家』『麺蔵』『チャーシュー工房』と続く。
それぞれ好みはあろうが、
私には、その店らしい味がして、どこも美味しい。
さて、半年近く前だが、
突然店を閉じたラーメン店がある。
その店は、市街地から若干離れた、
「稀府」と呼ばれる地区にあった。
我が家からは、車で15分はかかるだろうか。
畑が続く国道脇のその店の駐車場は、
舗装もされておらず、周りには雑草が生い茂っていた。
築数10年と言った板張りの薄汚れた平屋の店だった。
私がその店の暖簾をくぐったのは、
伊達の主な店のラーメンを一度は味わった後である。
店の外観が、あまりにも古びていたことが、
私をためらわせた。
店内は、7,8脚の椅子があるカウンターと、
小上がりに、テーブルが4,5台置かれていた。
案の定、板敷の床は、所々ギーギーと音がした。
私よりやや年長のご夫婦二人で切り盛りしていた。
最初に店を訪ねた時から、
何となく穏やかな空気が流れている店だった。
外観のイメージとは、大きく違っていた。
ある日、注文を終えて待っていると、
新しい客がガラス扉を開けて入ってきた。
ご主人が、すかさず「いらっしゃい。」と声をかけた。
丁度、奥の席にいた客の注文が出来上がり、
奥さんがそのラーメンを両手で持ち、厨房から出てきた。
入店してきた客には気づかず、
熱々のラーメンを持った腕がその客に触れた。
奥さんは、「キャーッ」と小さく声を上げ、
厨房へ一歩退いた。
ご主人がすぐに、客に静かに頭をさげ詫びた。
そして、奥さんに明るい表情を向け、
「大丈夫、大丈夫。」と励ました。
ご主人自らが、その器を持ち、
奥の客にラーメンを運んだ。
来る日も来る日も、二人だけで切り盛りする店である。
こんな時はギスギスしてもいいはずである。
なのに、何気なく支え合う二人の姿に、
私は心が温かくなった。
そんな二人が作る一杯である。
美味しくない訳がない。
この店のみそラーメンは、
私が今までに食べた同じ味のものでは、
自信満々で一番をつける一杯である。
今年3月初旬、寒い夜だった。
「今夜は、『竹よし』のラーメンが食べたい。」
と、車を走らせた。
定休日でもないのに、店は真っ暗だった。
ヘッドライトの明かりで店を照らした。
『閉店のお知らせ・長い間お世話になりました。』
小さな張り紙が、窓の隅にあった。
Uターンした道々、握るハンドルに力が入らなかった。
「ご主人が、健康を害した。」
それが閉店の理由だと、風の便りで耳にした。
何年いや十数年も前のことだろうか。
『竹よし』の味に惹かれた客が、脱サラして、
その店で修業した。
そして、隣街・室蘭で『ラーメンハウス竹よし』を開いていた。
つい先日、その店を訪ねた。
みそラーメンを注文した。
同じような味なのだが、どこかが違っていた。
もう一度、健康を取り戻し、
あの味を提供してもらえないだろうか。
ああ、『竹よし』のみそラーメンが食べたい。
ご主人に、エールを送りたい。
水車アヤメ川自然公園の朝
『道の駅・伊達市観光物産館』がある。
小耳にはさんだ情報では、
開設には、様々な意見があったようである。
しかし、「やってみなければ…」との思いで、
5年前、新築・営業を始めた。
これが、見事に大当たり!
2年前には店内の拡張までした。
今は、道内屈指の来場者数、売り上げ高を誇る道の駅になり、
胸を張っている。
その物産館のコーナーに、伊達オリジナルのチラシが、
数種類、置いてある。
その1つが、『伊達 ラーメン地図・マップ』である。
「伊達市民の魂飯・ソウルフード教えます」
と、チラシの片隅にある。
どうやら、市外からの来場者を対象にしたもののようだ。
どのような基準で、そのラーメン店が選ばれたのか、
私には分からない。
いずれにしても、市内の6つの専門店が紹介されている。
チラシには、その店の看板ラーメンや店の案内図と共に、
『こだわりの秘訣』と題するセールスポイントが記されている。
私は、その全ての店の暖簾をくぐっているが、
その『秘訣』には大いに納得している。
まずは、6店のそれを写す
A 宇宙軒 <みそチャーシューめん>
岩見沢に本店がある宇宙軒は伊達に来て20年、
多くのファンを生んできた。
10年前代替わりをしており、
受け継がれるこだわりのスープは、
日夜修業をしてやっと出せる味。
白みそベースで、とんこつの生骨からつくり出される。
また、麺にもこだわりがあり、
味を優先して西山製麺の若い麺を使用。
長年守り続けているこの一杯の味を少しでも変えると、
常連客に怒られるほど。
長年愛され続けている証拠でもあります。
B じぇんとる麺 <伊達スペシャルラーメン>
13年間地元に愛され続けるじゃんとる麺、
マスターも又、伊達を愛してやまない一人。
「伊達スペシャルラーメン」は、
スープと具材を伊達産の材料を使用した地産地消の一杯。
クリーミーでごまの風味のきいた濃厚スープは伊達牛乳を、
とろけるような肉とホルモンはオオヤミートブランドの黄金豚、
その他野菜類は伊達産と大滝産を使用している。
伊達産食材を贅沢に楽しみたい方に、オススメしたい一杯。
C 突撃ラーメン <みそラーメン>
突撃ラーメンは、創業33年間伊達市民の胃袋を満たしてきた。
昔ながらの懐かしい味が今も変わらず、常連客は勿論、
初めて食べる人も親しみのある一杯を楽しめる。
今は2代目店主が12年前から後を継いでおり、
市民の味を守り続けている。
麺にもこだわりがあり、なんと自社工場で独自に麺を作っている。
徹底した設備と職人の技で、これからも伊達の味を守り続ける。
D 味 楽 <醤油ラーメン>
味楽は創業40年以上経つ、錦町の老舗ラーメン店。
昼食はもちろん、飲んだ帰りに立ち寄るのもオススメの一軒。
味楽の代名詞とも言える濃い色のスープが特徴の醤油ラーメンは、
意外にも見た目に反してくどくなく、
唯一無二の味と定評がある。
E 元祖鶴つる亭 <ネギしおラーメン>
鶴つる亭は、こだわりの豚骨ベースのスープに定評がある。
出汁が十分に行き渡ったその味は、
一杯れんげで飲めば風味がたちまち口の中で広がり、
不思議と二杯 三杯…とやみつきになるほど。
ひき肉も入っており、これがまたスープとの相性が○。
チャーシューも厚くボリュームがあり、
サイドメニューのチャーシューおにぎりは、
ラーメンと肩をならべるほどの人気。
F 火 蔵 <ホルモンラーメン>
火蔵が10年間日々尽力するラーメン造りは、
スープは勿論、チャーシューやメンマも全て手作りで、
抜かり無しの丁寧さがモットー、
こだわりの下拵えで生み出される豚骨ベースのたれは、
くさみが少なく、最後の一滴まで飲み干したくなる一杯を生み出す。
また会計時に次回来店時に使用できるトッピング無料券が付くので、
リピーターの多さもうなずける。
6店が、この街で長く店を構えているその訳が、
この『こだわりの秘訣』からも垣間見ることができる気がする。
どの店も、ご夫妻が主となった家族経営の小さな店構えである。
1度だけでなく2度3度と足を運びたくなる。
実際に、私はそうしている。
伊達には、他にも自慢のラーメン店は、いくつもある。
国道沿いだけでも、
『味の時計台』『山岡家』『麺蔵』『チャーシュー工房』と続く。
それぞれ好みはあろうが、
私には、その店らしい味がして、どこも美味しい。
さて、半年近く前だが、
突然店を閉じたラーメン店がある。
その店は、市街地から若干離れた、
「稀府」と呼ばれる地区にあった。
我が家からは、車で15分はかかるだろうか。
畑が続く国道脇のその店の駐車場は、
舗装もされておらず、周りには雑草が生い茂っていた。
築数10年と言った板張りの薄汚れた平屋の店だった。
私がその店の暖簾をくぐったのは、
伊達の主な店のラーメンを一度は味わった後である。
店の外観が、あまりにも古びていたことが、
私をためらわせた。
店内は、7,8脚の椅子があるカウンターと、
小上がりに、テーブルが4,5台置かれていた。
案の定、板敷の床は、所々ギーギーと音がした。
私よりやや年長のご夫婦二人で切り盛りしていた。
最初に店を訪ねた時から、
何となく穏やかな空気が流れている店だった。
外観のイメージとは、大きく違っていた。
ある日、注文を終えて待っていると、
新しい客がガラス扉を開けて入ってきた。
ご主人が、すかさず「いらっしゃい。」と声をかけた。
丁度、奥の席にいた客の注文が出来上がり、
奥さんがそのラーメンを両手で持ち、厨房から出てきた。
入店してきた客には気づかず、
熱々のラーメンを持った腕がその客に触れた。
奥さんは、「キャーッ」と小さく声を上げ、
厨房へ一歩退いた。
ご主人がすぐに、客に静かに頭をさげ詫びた。
そして、奥さんに明るい表情を向け、
「大丈夫、大丈夫。」と励ました。
ご主人自らが、その器を持ち、
奥の客にラーメンを運んだ。
来る日も来る日も、二人だけで切り盛りする店である。
こんな時はギスギスしてもいいはずである。
なのに、何気なく支え合う二人の姿に、
私は心が温かくなった。
そんな二人が作る一杯である。
美味しくない訳がない。
この店のみそラーメンは、
私が今までに食べた同じ味のものでは、
自信満々で一番をつける一杯である。
今年3月初旬、寒い夜だった。
「今夜は、『竹よし』のラーメンが食べたい。」
と、車を走らせた。
定休日でもないのに、店は真っ暗だった。
ヘッドライトの明かりで店を照らした。
『閉店のお知らせ・長い間お世話になりました。』
小さな張り紙が、窓の隅にあった。
Uターンした道々、握るハンドルに力が入らなかった。
「ご主人が、健康を害した。」
それが閉店の理由だと、風の便りで耳にした。
何年いや十数年も前のことだろうか。
『竹よし』の味に惹かれた客が、脱サラして、
その店で修業した。
そして、隣街・室蘭で『ラーメンハウス竹よし』を開いていた。
つい先日、その店を訪ねた。
みそラーメンを注文した。
同じような味なのだが、どこかが違っていた。
もう一度、健康を取り戻し、
あの味を提供してもらえないだろうか。
ああ、『竹よし』のみそラーメンが食べたい。
ご主人に、エールを送りたい。
水車アヤメ川自然公園の朝