ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

滝越え

2014-09-09 22:41:40 | 北の大地
 知床半島の付け根付近を流れる斜里川に、
『さくらの滝』と呼ばれる名所がある。
 私はまだ行ったことがないが、
「熊が出没する恐れがあるので注意するように」
と、観光案内にはある。

 この滝は、平成14年に一般公募によって命名されたが、
春には桜が咲き、
6月から8月にかけてサクラマスが
3、4メートルの高さの滝を越えるため
ジャンプを見せてくれることからついた名だとか。

 サクラマスは、渓流の女王と言われるヤマメが海に下り、
30㎝から70㎝位に大きく成長して
生まれ故郷の川に戻ってくるもので、
『さくらの滝』のような大きな滝をジャンプするのは、
世界的にも珍しいのだそうだ。

 時々、家内と一緒にスーパーに出向くが、
その折りにサクラマスを半身にしたものが並んでおり、
地元の方はともかく、私には大変物珍しく、しばらく足を止めた程だったが、
日本海と北日本の河川でその遡上が見られるようだ。

 『さくらの滝』には例年約3000匹が遡上するのだが、
力強さとタイミング、それに運を味方につけ、
滝越えに成功するのはわずか1割程度だと聞いた。

 私は、この成功率に何よりもまず驚いた。
そして、遠慮なく流れ落ちる大滝に
果敢に挑戦し続けるサクラマスの生きざまに、
せつなさと共に、
なんとしても諦めずに生き抜こうとするその強さに惹かれた。

 よく夢は持ち続ければ叶うと言う。
しかし、『さくらの滝』に挑む多くのサクラマスにそれは通用しない。
それが、偽りのない自然界の姿なんだと思う。

 自然界の厳しい掟のようなもの、
それはこの地に移り住んで、たびたび教えられる。

 サクラマスのチャレンジ、私は、また励まされている。




伊達市内を流れる気門別川
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする