徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

大穴牟知命(オオナムチノミコト)の復活

2017-09-13 17:42:02 | 美術
 東京・京橋1丁目のブリヂストン美術館は今、建替え工事が進んでいる。僕が本社勤務だった頃は、本社ビルと美術館は隣りあわせだったので、昼食後の休憩時間をよく美術館で過したものだ。
 ブリヂストン創業者の石橋正二郎は同郷の青木繁を愛し、彼の作品を多く収集した。なかでもこの「大穴牟知命」と「海の幸」は一度観たら忘れられない作品だ。「海の幸」は久留米市民会館の舞台に掛かる緞帳に再現されていたが、久留米市民会館が閉館することになり、その行方が気になる。

▼大穴牟知命(1905年、ブリヂストン美術館蔵)
 この作品は「古事記」上巻にある大穴牟知命(大国主命)の受難の物語を題材にしたもの。
 兄弟の神々の嫉妬により、焼石を押しつけられて死んだ大穴牟知命(オオナムチノミコト)が、執虫貝比女(キサガイヒメ)と宇牟起比女(ウムギヒメ)の二人によって復活するという物語。執虫貝比女(キサガイヒメ)が貝殻を削ってその粉を集め、宇牟起比女(ウムギヒメ)が自らの乳をしぼった乳汁を粉にまぜて大穴牟知命(オオナムチノミコト)の体に塗りつけると大穴牟知命は生き還ったという物語。