徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

五高記念館で来し方を思う

2025-03-05 18:54:06 | 
 先月27日、熊本大学黒髪キャンパスの五高記念館を訪れた。漱石関連の展示を見るためだったが、残念ながら五高記念館は臨時休館。ここを訪れたのは久しぶりだったので、しばらく煉瓦造り二階建ての校舎を眺めて過ごした。
 ここに来ると決まってある想いが湧いてくる。それは自分自身の来し方のこと。自分の進路を考え始めたのは中学に入って、同級生が進路の話をするのを聞くようになってからである。僕は両親が教職だったので、何となく将来は教職の道へ進むのだろうなぁと漠然と考えていた。おそらく両親もそれを望んでいただろう。その流れで行くと、多分、熊本高校に進学して熊本大学の教育学部を目指したのだろう。一方で、僕は中学入学と同時に水泳部に入っていたので高校でも続けたいという気持もあった。
 中学3年の時、ローマ五輪の水球に参加した中学の先輩、藤本重信さんが、日の丸を付けた白いブレザーを着て学校に挨拶に来られた。そのカッコよさに憧れたものだ。さらにその年熊本で行われた国体では高校水球の決勝で、済々黌が熱戦を繰り広げていて、その結果に熊本県の天皇杯獲得がかかっているという情報が授業中の教室に飛び込んできた。そんな出来事があって僕は済々黌に進んで水球をやりたいという気持が強くなってきた。担任の先生との進路面談でその気持ちを伝えると、先生には意外なことだったらしく、「君は熊髙に進んでご両親と同じ教職の道を目指すのかと思っていたよ」と言われた。さらに「しかし、僕は君の選択を支持するよ!」と付け加えられた。
 僕は結局、済々黌へ進んで水球部に入り、インターハイや国体で貴重な経験をした。大学もスポーツ推薦で入学し、そんな経歴が就職にもつながった。
 ひょっとしたら進学していたかもしれない熊本大学の五高記念館の煉瓦造りを眺めながら、中学3年時の判断が人生のターニングポイントになったことに思いを致すのである。 


熊本大学五高記念館


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。