今回の第60回記念大会の目玉の一つが十四世茂山千五郎演じる狂言「彦一ばなし」。熊本ゆかりの劇作家・木下順二の「彦一ばなし」を狂言にしたもの。熊本ではおなじみの「天狗の隠れ蓑」などの肥後民話を題材としたお話でオール熊本弁。千五郎師の熱演感が際立っていた。
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熊本弁の狂言は皆さんやはり親しみやすかったようで…
今回の能「羽衣」は「替ノ型」ということで、破ノ舞がなく、キリの謡に緩急がつくなど、より華やかさを増しますとのことだったが、まだ素人レベルの僕には、これまで5~6回観ている「羽衣」との大きな違いは感じとれなかった。気づいたのは作り物の松がキザハシの右上あたりに置かれていて、ここに羽衣が掛けられていた。今まで観た「羽衣」では橋掛かりの欄干あたりに掛けられていたような。初めて観るシテの本田光洋師には、静止していてもにじみ出てくる風格を感じた。
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明治三名人の一人、櫻間伴馬の流れを汲むのか、本田光洋師の風格に惹きつけられる
台風接近でハラハラした一昨年や、土砂降りに見舞われて途中までしか観ることが出来なかった昨年とは打って変わって今年は天候に恵まれたが、日没後もむし暑さが続き、じっとしていても汗が滲んでくるのがわかるほどだった。主催者の金春松融会の司会の方が開口一番「サンバおてもやんをさしおいて薪能を観に来ていただき…」と感謝の言葉を述べられたが、これは同時間に街中で行われている「火の国まつり」の「おてもやん総踊り」のことで、それにもかかわらず大勢の観客が能楽殿を選んだことに対する偽らない感謝の気持なのだろう。僕が嫌いな「サンバおてもやん」を例えにあげられたのが可笑しかった。
この薪能には毎年、熊日新聞の女性記者が取材にやって来る。気付いたので声をかけてみた。入社したばかりの新人らしい。「どんな写真が掲載されるか、毎年楽しみにしてますよ!」と言うと、「エッ!そうなんですか!」と困ったような笑顔を見せた。
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熊本弁の狂言は皆さんやはり親しみやすかったようで…
今回の能「羽衣」は「替ノ型」ということで、破ノ舞がなく、キリの謡に緩急がつくなど、より華やかさを増しますとのことだったが、まだ素人レベルの僕には、これまで5~6回観ている「羽衣」との大きな違いは感じとれなかった。気づいたのは作り物の松がキザハシの右上あたりに置かれていて、ここに羽衣が掛けられていた。今まで観た「羽衣」では橋掛かりの欄干あたりに掛けられていたような。初めて観るシテの本田光洋師には、静止していてもにじみ出てくる風格を感じた。
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明治三名人の一人、櫻間伴馬の流れを汲むのか、本田光洋師の風格に惹きつけられる
台風接近でハラハラした一昨年や、土砂降りに見舞われて途中までしか観ることが出来なかった昨年とは打って変わって今年は天候に恵まれたが、日没後もむし暑さが続き、じっとしていても汗が滲んでくるのがわかるほどだった。主催者の金春松融会の司会の方が開口一番「サンバおてもやんをさしおいて薪能を観に来ていただき…」と感謝の言葉を述べられたが、これは同時間に街中で行われている「火の国まつり」の「おてもやん総踊り」のことで、それにもかかわらず大勢の観客が能楽殿を選んだことに対する偽らない感謝の気持なのだろう。僕が嫌いな「サンバおてもやん」を例えにあげられたのが可笑しかった。
この薪能には毎年、熊日新聞の女性記者が取材にやって来る。気付いたので声をかけてみた。入社したばかりの新人らしい。「どんな写真が掲載されるか、毎年楽しみにしてますよ!」と言うと、「エッ!そうなんですか!」と困ったような笑顔を見せた。