徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

菫(すみれ)の俳句

2025-02-11 19:56:34 | 文芸
 フォローさせていただいているブログ「ころころの毎日が俳句・ハイク」さんは、いろんな方が詠まれた俳句を季節季節に応じてまとめて紹介されるので楽しみに拝見している。今日掲載されたのは春の季語「すみれ」を使った俳句21句。
 そのなかで僕が好きな句を二つ選んだ。

  野すみれの咲くや馬籠の石だたみ   白鳥光江
  神宿る小さき棚田や花すみれ     栗田やすし

 いずれもハッキリと映像が目に浮かぶところが選んだポイント。

 「すみれ」を季語とした俳句で有名な作品のひとつに夏目漱石が熊本時代に詠んだ

  菫程な小さき人に生まれたし

がある。

 2016年の「漱石生誕150年、来熊120年」に当り、熊日新聞に掲載された「熊本の漱石」と題する著名人のコラムの中に、テレビの俳句番組で著名な夏井いつきさんのコラムがあった。夏井さんは次のように述べている。

--漱石の俳句でいちばん好きなのは、熊本時代に詠んだ「菫程な小さき人に生まれたし」です。こういう独白が作品になりうることと、そのかれんな心根に、衝撃を受けました。澄み切った感性が漱石という人間をぴーんと貫く核だったのかと思うと、猫でも坊っちゃんでもない漱石像が見え、惚れ直しました。--


漱石記念緑道(京陵中学校前)の漱石句碑


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