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先日、昨年他界された喜多流能楽師の狩野琇鵬さんの著書「生死の境を歩む」を読んで、とても心に残る一節があった。それはだいぶ前のことだが、琇鵬さん一行が伝統芸能のフェスティバルに参加するため渡欧された時のこと。琇鵬さんたちの他にもう一つ別の団体が参加していた。琇鵬さんたちは古典をそのまま演能されたそうだが、もう一つの団体は、現代的な新しい解釈を加えた演目を出した。結果、琇鵬さんたちが大受けだったのに対し、もう一つの団体は全く受けなかったという。
外国人が日本文化に期待するものが何なのか、読み違えると大失敗をしてしまうという示唆に富んだお話だ。
※右の写真は欧州公演時の狩野琇鵬さん(アテンドした森浩さんの提供)